2019年10月18日号4面 大手行の2019年度下期部店長会議、「構造改革」に挑戦
変革牽引する人材育成
大手銀行は、2019年度の下期部店長会議を相次ぎ開催した。厳しい経営環境が続くなか、各トップは「変革」「構造改革」を強調する。変革を牽引(けんいん)する人材の育成に取り組み、次世代金融や新たなビジネスモデルの構築、持続的な成長の実現へ向けて、部店長に戦略の実行を呼びかけた。
■みずほFG・次世代金融への転換
みずほフィナンシャルグループ(FG)は10月5日、…
【写真】下期方針を説明する坂井辰史・みずほFG社長(10月5日、みずほ銀内幸町本部ビル講堂)
2019年10月18日号2面 金融庁、時価検証態勢に懸念、有価証券の会計基準変更で
期末1カ月平均値は使えず
金融庁は、地域銀行や信用金庫などに有価証券の時価評価に関する会計基準変更へ対応した態勢整備を促す。新基準が適用される2021年度以降は、時価の妥当性を検証する必要があり、少人数で運用を行う地域銀などの態勢に懸念が大きいためだ。有価証券運用方針に影響する恐れもあり、早期に検討するように求める。
見直されるのは…
2019年10月18日号3面 生保界、外貨建て苦情抑制へ、代理店向け研修新設
生保協は「資格制度」も
生命保険界は、金融機関窓口の「外貨建て保険」販売に関する苦情抑制に向け、新たな対策を導入する。生命保険協会(清水博会長=日本生命保険社長)が資格制度新設を検討するほか、三井住友海上プライマリー生命保険とニッセイ・ウェルス生命保険は新たに研修コンテンツを用意。第一フロンティア生命保険も、代理店ごとに協議会を設置する。
生保協は、現在ある「変額保険販売資格者登録制度」と同様の資格制度を…
【写真】三井住友海上プライマリー生命が開発した苦情防止研修は、これまでに延べ30機関以上が受講(7月に実施した十六銀行)
2019年10月18日号3面 金融界 採用に「AI」活用広がる、効率化や就活負担軽く
金融界で、採用活動に人工知能(AI)を活用する動きが広がってきた。売り手市場で競合が激化するなか、人的・時間的負担の大きい採用業務の効率化や、遠方参加の学生の負担を軽減するため、メガバンクや大手の生命保険会社・損害保険会社、地域金融機関が書類選考や一次面接に導入。人事部門でテクノロジーを実用する「HR(ヒューマン・リソース)Tech」が普及し始めた。
採用業務は、…
【写真】タレントアンドアセスメントが提供する「AI面接」の様子。実際の面接のように会話ができるのが特徴
2019年10月18日号6面 地域銀行、ウェブ完結ローン広がる、郵送不要で手続き迅速化
事業性資金にも
地域銀行で、契約手続きがウェブで完結するローン商品の取り扱いが広がっている。来店や書類の郵送を不要にすることで、融資実行までの時間短縮など顧客利便性を高める狙い。9月末から個人向け無担保ローンにウェブ完結スキームを導入した千葉銀行は今後、申し込み全体の7割程度が同スキームになると見込む。また、一部地域銀は個人事業主向けの事業性ローンでも対応し始めている。
ウェブ完結型は個人向け無担保ローンを中心に、直近1年間で少なくとも15行が…
2019年10月18日号7面 地域銀行、サイトの機能充実進む、ロボアドやチャット搭載
スマホから閲覧しやすく
地域銀行は、重要な顧客接点と位置付けるウェブサイトの機能を充実させている。過半数の銀行が資産運用のロボアドバイザー(ロボアド)機能を搭載するほか、顧客からの問い合わせに対応するチャットツールの導入も進む。スマートフォンから閲覧する際の使い勝手を高める動きも相次いでいる。
ロボアドは投資信託から普及が始まったが、京都銀行などは保険分野でも導入。企業サイトの…
2019年10月18日号8面 全国の信金、減少する店外ATM、負担圧縮へ配置見直し
8月末で4307台
信用金庫の店外ATM(CD含む)が減少している。3月末時点の合計台数は、前年同月比112台減の4336台。4~8月の5カ月でも29台減り、8月末には4307台になった。費用負担の圧縮に向け、配置を見直す動きが進んでいる。
信金は、全国に約2万台のATMを持ち、…
2019年10月18日号9面 信組、広がるスマホアプリ、9月までに10信組が導入
残高・入出金明細を確認
信用組合業界で、預金残高や入出金明細を確認できるスマートフォン向けアプリケーションを活用する動きが広がってきた。9月までに、アイ・ティ・リアライズ社が開発するアプリを10信組が導入しており、現在も複数の信組が準備を進めている。
フィンテック企業のアイ・ティ・リアライズ社は、全国信用協同組合連合会と協力し、…
2019年10月18日号12面 商工組合中央金庫、原点に返り企業サポート、動く現場・知恵出し合う
全店的な危機対応業務の不正で行政処分を受けてから2年。商工組合中央金庫は営業の軸を融資量拡大から顧客の課題解決に移す原点回帰を進めている。重点的に取り組む4分野のうち、事業再生・経営改善支援では提案を「バリューアップレポート(Vレポ)」にまとめて持ち込む活動に着手。温泉旅館を支えVレポの内容を競う9月の金庫内大会で最優秀賞を獲得した新潟支店と、全国から集まった経営支援担当者など14人でレンズ加工機製造業の支援策を練った川崎支店の取り組みを見た。
【写真】旅館「みのや」の白崎純也社長(左)が伊澤哲也・新潟支店長(中央)と染川史年課長を露天風呂に案内(9月27日、旅館「みのや」)
2019年10月18日号20面 滋賀銀行日野支店、夢の実現へ提案重ねる、融資や手数料を獲得
「ゴール・ベース・サポート」展開
【大阪】滋賀銀行日野支店(堤勇蔵支店長=行員13人うち女性6人。パート7人)は、取引先企業の経営者から事業展開や将来像など夢を聞き取り、実現に向けた具体策を段階的に提案。実行する課程で融資に加え、コンサルティングやビジネスマッチングの手数料などの獲得につなげている。
同行は、4月に開始した第7次中期経営計画で「ゴール・ベース・サポート」という考え方を掲げ…
【写真】福田弘社長から今後の事業展開を聞く堤勇蔵支店長(右、10月1日、日野精機)