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ニッキン・2023年6月2日号

主な記事

2023年6月2日号1面 総務省が実態調査、指定金業務の有料化交渉、地域銀行・追い風期待

  • 法令制度政策
  • 手数料

 指定金融機関業務の経費負担を巡る地域銀行と地方公共団体の交渉状況について、総務省が実態調査に入ることがわかった。「議論の土台となるデータを集めて、話し合いを進めてもらう」(総務省関係者)ことが目的だ。6月上旬までに、全国の地公体へ文書を発出する。地域銀関係者の間では、今回の調査結果が振込手数料などの引き上げや有料化交渉の追い風になると期待する向きがある。
 総務省関係者は「最終的には、地公体と指定金による当事者間の協議で決定される。ただ、公金収納事務に関するコストなどについて…

2023年6月2日号11面 特集 米ワシントン現地取材、規制強化へ思惑さまざま

  • 国際
  • 特集

 激しさ増す預金獲得競争

 米国では3月以降、シリコンバレーバンク(SVB)、ファースト・リパブリック・バンクなど地方銀行3行が相次ぎ破綻した。連邦準備制度理事会(FRB)の利上げで、保有国債の含み損が拡大し、信用不安、株価下落、預金流出を招いたのが主因だ。SVBでは、SNSによる信用不安拡散により、一日で420億ドルの預金が流出する異例の事態が起きた。「3行の破綻は、特異な経営による個別問題」と、金融関係者は金融危機への発展を否定するが、その影響を受けて風評リスクに晒されている地銀も一部にある。銀行に対する規制・監督強化や預金保険制度の見直し議論が台頭。さらに、預金獲得競合激化、信用収縮の懸念、ノンバンクへの影響、破綻銀行を救済買収したJPモルガンチェースのさらなる強大化への警戒なども叫ばれ始めた。多様な課題に直面する監督当局、銀行界のトップにワシントンで取材した。

 【写真】債務上限問題で揺れた米国

2023年6月2日号2面 実像 開花目前 金融サービス仲介、始まるか 生産性革命

  • 経営

一つのライセンスで銀行・証券・保険サービスを一体的に提供できる「金融サービス仲介業」。2021年に制度が創設されてから参入事業者の少なさが指摘されてきたが、足元では個人や中小企業に対して生産性が高いサービスを提供しようとする波があちこちで生まれつつある。銀行などにとって仲介業者は顧客接点を広げるパートナーになる一方、制度の特徴である「無所属性」は金融機関による顧客の囲い込みを難しくさせ、競争を受け入れざるを得ないという側面も潜む。金融界に変革を起こそうとする仲介業者や、提携を進める金融機関の現状を追った。
 ■可能性秘める「無所属」
 伝統的な金融機関が利便性の高い金融サービス提供へ模索を続けるなか…

【写真】400FはAIチャットを導入するなど、資産形成層向けのサービスを磨く

2023年6月2日号5面 三菱UFJ銀行、スタートアップ融資に注力、独自の調査・分析で目利き

  • 融資

 三菱UFJ銀行はスタートアップ(SU)向けのデットファイナンスに注力している。ロシア・ウクライナ問題や米国の銀行破綻などの外的要因で国内のエクイティファイナンスの市場環境が悪化するなか、SUの新たな調達手段として重要な役割を果たすと考えるからだ。目利き力の向上や国の債務保証・補助金などの支援策も相まって、同行の融資額(稟議(りんぎ)承認ベース)は3年弱で約6倍に増えている。
 同行では2019年5月に「成長産業支援室」を設置して以降、SUへのデットファイナンスが本格化した。「足元で赤字でも右肩上がりの事業計画を描くケースが大半で、それをデットで支えるには難しい判断を求められる」(成長産業支援室)ため、…

2023年6月2日号7面 山口FG、中小のIT相談窓口を担う、日本一DX進む地域へ

  • ネット・システム
  • 取引先支援

 【広島】山口フィナンシャルグループ(FG)は、中小企業に対しDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を支援する。傘下のデータ・キュービック(DQ)が中核となってクラウドサービスの導入サポートを展開。700社が利用する。3月にはインボイス制度対応ソリューションを開発。50社から引き合いが来ている。「中小企業のIT相談窓口を担い、山口県・広島県・北九州市を日本一DXの進んだ地域にする」(多賀本悠介・DQ社長)目標を掲げる。
 中小企業の悩みは、DXについて相談するITベンダーや社内にシステム担当者がいないこと、…

【写真】マイクロソフトのPCを使いビジネスニーズをヒアリングする多賀本社長(左、5月12日、山口FG本社)

2023年6月2日号8面 広島信金、宮島の魅力アップ後押し、コロナ禍も事業継続を下支え

  • 取引先支援

 【広島】広島信用金庫(広島市、川上武理事長)は、世界遺産の厳島神社のある宮島に唯一店舗を置く地域金融機関として島内事業者に伴走する。事業再構築補助金の申請支援などでコロナ禍の事業継続を下支え。広島サミットでは各国要人が訪れ、観光客の注目を集める宮島の新しい魅力発信に貢献している。
 新型コロナウイルス感染症の拡大で、宮島は観光産業が大打撃を受けた。2020年5月の来島者は、…

【写真】もみじ饅頭の製造販売を手掛けるやまだ屋の田川繁章取締役(右)と談笑する岩本支店長(5月17日、廿日市市宮島町)

2023年6月2日号10面 主要生保27社の2023年3月期決算、コロナ影響で基礎利益22社減

  • 経営

 外貨建て保険は伸長
 主要生命保険会社27社の2023年3月期決算は、本業のもうけを示す基礎利益が22社で減益となった。大手生保4グループ(G)は全社減益。新型コロナの感染拡大に伴う保険金の支払いが直撃した。22年度から基礎利益の算定に、高止まりする外債運用のヘッジコストが加味された影響もある。コロナは収まりつつあるが、各社は23年度も外債のヘッジコストによる利益圧迫を警戒する。
 対照的に、外貨建て保険の新規契約は海外金利上昇で大幅に伸長した。特に一時払い商品を扱う銀行窓販チャネルの存在感が…

【写真】決算を総括する日本生命の佐藤常務(5月24日、日本生命丸の内ビル)

2023年6月2日号18面 【本紙調査】地域銀行・信金、人材確保へ基準緩和

  • 人事施策

 2024年度採用は2倍に
 地域銀行と信用金庫で、人員確保に向けて新卒採用活動での基準緩和の動きが出ている。本紙調査によると、2024年度採用で「やや緩める」との回答が23年度に比べ2倍の7行庫に増加した。一方、「やや厳しくする」との回答は8先減の4先となり、「やや緩める」を下回った。地域銀・グループ(G)や大手信金の計146機関から回答を得た。
 「やや緩める」との回答が増えたのは、売り手市場が続き、採用計画数を満たすのが難しいことが背景にある。さらにバブル期に大量採用したベテラン層の退職期が迫っており、…

2023年6月2日号16面 特集 2023年3月末の資金量上位200、伸び率2.2%に鈍化

  • 預金
  • 特集

 全国金融機関の2023年3月末資金量上位200(ニッキン調べ)がまとまった。上位7位は変動せず、残高トップは三菱UFJ銀行の163兆5273億円だった。全機関の合計残高は1312兆4406億円で、2022年3月末から2.2%増えた。伸び率は2022年3月末の実績(3.5%増)から1.3ポイント低下した。コロナ禍で予備的に資金確保した事業者が返済したのに加え、物価上昇や消費の拡大で預金増加ペースが低下した可能性がある。
 残高が増えたのは全体の82%にあたる…

2023年6月2日号17面 金融界の2023年株主総会、PBR改善へ「圧」強まる

  • 経営

 電子提供・6割が従来通り
 金融界(銀行、証券、保険)の2023年3月期の定時株主総会が6月9日から始まる。3月末に東京証券取引所がPBR(株価純資産倍率)改善などを要請しており、株価や資本コストを意識した経営に対する株主からプレッシャーは強まる見通し。新型コロナウイルスが5月に感染症法上の位置づけが5類に移行し、来場自粛やマスク着用などの要請はなくなる。通常開催に戻るなか、企業価値向上への対話が問われる。
 総会集中日は6月29日。本紙が集計した103機関(表)のうち22機関(21%)が開く。東証上場企業全体と同様の傾向で…

2023年6月2日号20面 山梨中央銀行日下部支店、農業支援、果樹生産者と向き合う

  • 営業店

 サポートPT発足
 「山梨から豊かな未来をきりひらく」と掲げ、山梨県の魅力や産業の強みを発信する山梨中央銀行。日下部支店(吾妻修治支店長=行員25人うち渉外担当者11人。パート15人)は、地域の果実農業に着目し、近隣エリアの支店とともにアグリサポートプロジェクトチーム(PT)を結成。就農者の高齢化などが進むなか、農家の課題解決に貢献できる体制の構築を目指す。
 同行は、地域の特性に応じたきめ細かな対応を目的に、2022年6月から営業エリアを6地区に分け…

 【写真】プロジェクトチームの勉強会でアグベル社の丸山桂佑社長(左)から説明を受ける吾妻修治支店長(山梨中央銀行日下部支店、4月26日)

社説/ニッキン抄

学び (14-15面)

【Nikkin 金融講座】
Discovery 専門家に聞く Blue Lab デジタルストラテジスト/群馬県沼田市DX推進官・田村 吉章氏
生成AIを業務に役立てる
投信窓販優績者に聞く 三島信用金庫・杉本 美香さん
基本を徹底で着実に成果
いまさら聞けない時事用語 資本性借入金
※「Nikkin 金融講座」は過去掲載分も含め、「ニッキンONLINE」でご覧になれます。

レギュラー企画

寸言 個人としての社会貢献 (1面)=永倉 悦雄・鹿児島相互信用金庫理事長
東西ペンリレー バケットリスト (12面)=杉山 剛・野村証券専務執行役員
ちょっと一言 関東各地に建築物 (12面)=関東建設工業 代表取締役社長・高橋 明さん
『初支店長(805)』 本業支援にまい進 (20面)=帯広信用金庫本別支店・川村 智洋氏
『スマイル』 丁寧な対応で信頼構築 (20面)=兵庫県信用組合・高畑 穂乃果さん

企画・特集・連載など

中村・日本金融サービス仲介業協会会長に聞く (2面) もうかる「顧客本位」へ
インタビュー (5面)
 「ニッキンONLINE」に掲載
南・りそなホールディングス社長
アプリ1000万DLめざす
【マーケット・トレンド】 (5面) [為替]加速する円安 日本株買い越す海外勢が円売り
 柴田 秀樹・東海東京調査センター 投資戦略部 グローバルストラテジーグループ 金利・為替シニアストラテジスト
[金利]4月の消費と賃金データに注目
 熊野 英生・第一生命経済研究所 首席エコノミスト
インサイト
 キーパーソンに聞く<76> (13面)
大橋 輝臣・共同印刷 常務執行役員 情報セキュリティ事業本部長
相続支援業務に注力
フレッシャーズに贈る (18面)
 私のこだわり [8]
北洋銀行・対馬 良祐さん
社外との人脈も大切

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