2023年12月1日号2面 金融庁 保全先の支援不足に警鐘、改善・再生へ監督強化
金融庁は、実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資などで債権が保全されている事業者への金融機関の支援が足りていない事態に警鐘を鳴らす。8、9月に実施した地域金融機関向けのヒアリング結果をまとめ、支援が行き届いていない可能性を指摘した。今後、財務局を通じ、日本政策金融公庫が取り扱う資本性劣後ローンや、中小企業活性化協議会の活用が遅れている地域に是正を促す構え。早期の経営改善・事業再生を促すため、監督指針も改正する。
事業者支援の状況を確認するためのヒアリングは銀行、信用金庫、信用組合などに実施し…
【写真】金融機関に事業再生支援の強化を求める鈴木俊一金融担当大臣(11月27日、金融庁)
2023年12月1日号3面 環境省、新たな金融手法開発へ、地銀や地公体にヒアリング
環境省は、脱炭素に資する新たな金融手法の開発に向けた検討を始める。2024年2月までに、公的資金と民間の投融資を合わせた“ブレンデッド・ファイナンス”の事例や、その推進役となる地方銀行や地方公共団体などにヒアリング調査を実施。環境スタートアップへの効果的な支援のあり方なども整理する。調査結果は報告書にまとめ、25年度以降の予算要求時の戦略立案に反映する。
気候変動分野の投資は、その技術や環境インパクトを評価するのが難しいうえに…
2023年12月1日号4面 地域銀行の2023年9月末NISA口座数、業態トップは福岡銀行・北洋銀行
西日本シティ銀行と常陽銀行が上昇
2023年9月末の少額投資非課税制度(NISA)口座数が、本紙の調査で判明した。トップは不動で地方銀行が福岡銀行、第二地方銀行が北洋銀行だった。前回(同6月末)からは地銀の上位に変動があり、西日本シティ銀行が3位に、常陽銀行が5位にそれぞれ順位を上げた。制度内容を拡充された新NISAが24年1月に始まることを控え、口座獲得の動きは一段と活発化する見通しだ。
調査は、投資信託の窓口販売をする全金融機関を対象に、四半期ごとに実施。23年9月末の調査は、…
2023年12月1日号6面 信金中金、営業店独自セミナー活発、地域特性ごとテーマ設定
信金中央金庫は、地域の特性に応じてテーマを設定した営業店独自のセミナー開催を活発化させている。脱炭素関連の団体を中心に連携先を増やすなかで、その活用方法の周知のほか、各地域特有のニーズにも対応する狙い。11月14日には、東京営業部が「中小企業のための省エネ・再エネセミナー」をオンラインで開催。東京都・沖縄県の19信金の担当者を含む108人が参加した。
事業所の密度が高い都内の中小企業では、太陽光パネルの導入時に設置面積の確保が課題になりやすい。例えば、電力購入契約(PPA)方式による導入では、…
【写真】自社のソリューションについて説明するヒナタオエナジーの来村俊郎社長(左、11月14日、本店)
2023年12月1日号7面 両備信組、ガバナンス効いています!!非常勤理事が存在感
【広島】両備信用組合(広島県)の原田雅文理事長には、社外理事たちという心強い味方がいる。上場企業を含む地元有力企業の経営者でもあるベテラン非常勤理事たちが、経営者の視点で積極的に発言。モノ言う理事会が2022年6月に就任した原田理事長を強力にサポートしている。
年5回開く理事会は、いつも非常勤理事たちの活発な提言が飛び交う。かつては理事長経験者が会長や顧問に就任するケースもあったが、…
2023年12月1日号8面 主要生保14社・Gの4~9月期決算、基礎利益25%増・コロナ給付減
大手2Gは通期上方修正
主要生命保険会社14社・グループ(G)の2023年4~9月期決算が11月22日に出そろった。本業のもうけを示す基礎利益は、14社の合計で1兆7621億円と前年同期比25%増加し、12社で増益・黒字化した。22年度に急増した入院給付金(みなし入院含む)の支払いが一服し、保険関係損益が大幅に改善したのが主因。大手4Gの中で通期の基礎利益予想は、明治安田生命Gと住友生命Gが上方修正した。
大手4G合計の基礎利益は前年同期比23%増の9838億円。日本生命Gは同38%増の3577億円。佐藤和夫取締役常務執行役員は…
【写真】決算を振り返る日本生命の佐藤常務(11月22日、日本生命丸の内ビル)
2023年12月1日号18面 銀行・大手信金、内定辞退者と関係構築、再受験時に優遇も
銀行と大手信用金庫で、新卒採用時の内定辞退者を対象にネットワークを構築する動きが広がっている。他社入社後に心境やライフスタイルが変化した際、再び採用試験を受ける心理的ハードルを下げる狙い。三菱UFJ信託銀行や朝日信用金庫は同意を得た辞退者に対し、社内情報などの定期的な配信を始めた。スルガ銀行は、同行が内定を通知し、承諾しなかった人材を対象に中途採用の優遇措置を設けている。
三菱UFJ信託銀は2023年度に、内定辞退者を一元管理するプラットフォームを導入した。3、4カ月に1回の頻度で…
2023年12月1日号19面 城北信金、しぶさわくんFM開局、職員が番組制作・運営
城北信用金庫(東京都、大前孝太郎理事長)は11月20日、インターネットラジオ局「しぶさわくんFM」を開局した。東京都北区を拠点とした地域密着の情報を発信して、北区エリアの活性化と認知度向上を図る。4月に新設したメディアラボの職員が中心となって番組の制作・運営に携わる。
新ラジオ局では、地元のイベント、天気予報、活躍する人など地域性の高い情報発信と区民との双方向のコミュニケーションを図る独自のコンセプトで…
【写真】ラジオ番組の収録スタジオで「しぶさわくん」とメディア取材を受ける大前理事長(11月20日、王子駅前サンスクエア2階)
2023年12月1日号20面 城北信金北浦和・西堀・太田窪ユニット、チーム力で課題突破
意欲醸成へ店内表彰制度、上期業績評価・トップクラス
城北信用金庫北浦和・西堀・太田窪ユニット(松田祥孝支店長=職員45人うち渉外17人。契約1人、パート3人)は、支店内外のチーム力を生かして顧客の課題解決に取り組んでいる。店内表彰制度や勉強会・実地指導で意欲を醸成。2023年度上期の店舗業績評価は、収益部門を軸にトップクラス。
2020年8月に太田窪支店(さいたま市)に着任した松田祥孝支店長は、その後、北浦和支店(同)、西堀支店(同)の支店長を兼務。2022年1月にはユニット体制に移行。預金主体の特化型店…
【写真】積田冷熱工事の積田鉄也代表取締役(左から3人目)ら役員と工事の計画などについて情報交換する城北信金の椙木仁次長(左)と浅田稔浩課長(左から2人目、11月20日、積田冷熱工事)