2023年5月12日号2面 実像 生保のコロナ禍3年、問われた「社会的使命」
累計1兆2千億円超。2023年3月末までに生命保険協会加盟42社が新型コロナウイルス感染を理由に契約者へ支払った死亡保険金と入院給付金の合計だ。政府方針に従い、病床ひっ迫回避の観点から「みなし入院」患者も入院給付金の支払い対象とした結果、短期間に支払いが集中した。社会的要請に応えた意義は大きいが、新たな課題も浮き彫りになった。コロナ禍に追われた生保業界の3年間を総括する。
■入院給付金1兆円弱に
新型コロナの累計陽性者数は3374万人(厚生労働省発表、5月2日時点)に上り…
【写真】コロナ禍の3年間を振り返る生保協の稲垣会長(4月21日、生保協)
2023年5月12日号4面 3メガ銀、職務重視の給与体系へ、三菱UFJ銀行は総合職に新資格
3メガバンクで、年功色が反映されやすい給与体系を職務重視に移行する動きが相次いでいる。三菱UFJ銀行は2024年度から、総合職の一資格として主に中途採用者を対象にした資格「Ex」を創設する。職務記述書(ジョブディスクリプション)に基づき、職務基準での評価・処遇を徹底する。市場価値なども加味し、中途採用の獲得競争力を高める狙いもある。三井住友銀行は、行員のスキルや貢献度に応じた分野別の評価の要素を強めたい考え。
三菱UFJ銀が新設するEx資格の行員は…
2023年5月12日号5面 メガバンクグループ、成長アジアへ出資拡大、デジタル知見を吸収
メガバンクグループが成長著しいアジアの商業銀行やノンバンクなどへの出資を拡大している。デジタル領域で先行する出資先のノウハウを吸収し、収益力強化につなげる狙いがある。
2023年中に中国の人口を抜いて“世界一”に躍り出るインド。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の三菱UFJ銀行は4月、現地でデジタル金融サービスを提供するノンバンク「DMI Finance(DF)」への出資契約締結を公表した。インドでは法人融資に取り組んできたが、…
2023年5月12日号6面 常陽銀行、業務用アプリ10種を稼働、「受取書」など他行も導入
協業会社でDX営業学ぶ
常陽銀行は、業務提携するシステム・ソリューション事業会社「デジタルサーブ」(茨城県、松本英俊社長)と連携し、店頭業務や営業推進の効率化、顧客向け提案ツールなどのアプリケーション開発を加速。4月に稼働した「地方税QRアプリ」までで、計10種(表)となり、他行での導入実績も複数出ている。常陽銀では、デジタルサーブへの行員派遣も継続し、取引先事業者などへのDX(デジタルトランスフォーメーション)コンサルティングの中核人材育成につなげる考えだ。
デジタルサーブとは2021年4月に提携契約。アプリ開発での協業はこれに先立ち、…
2023年5月12日号8面 滋賀中央信金、事業融資先数9年連続増、次長・融資役席が訪問率先
【大阪】滋賀中央信用金庫(滋賀県、沼尾護理事長)は、2023年3月末の事業融資先数が前年同月より約240先増えて4900先となり、9年連続の増加となった。22年度は全27カ店の次長や融資役席者が率先して企業訪問。本業支援を起点に新規顧客の紹介につなげた。
「このまま渉外係に任せていいのか」――。22年7月に開かれた次席・融資役席会の席上。小野田広徳営業推進部長は同4~6月期に事業先数が伸びなかったことを受け、参加者に対応策を問いかけた。渉外係は65%が入庫7年目以下で…
2023年5月12日号10面 生保10社の2023年度運用計画、国内債シフト加速、ヘッジ付き外債9社減
国内生命保険会社の2023年度資産運用計画で、22年下期に続き国内債券へのシフトが鮮明になった。主要10社のうち7社が積み増す方針。米国の金利上昇に加え、日本銀行の金融政策修正による国債金利の上昇が期待されるなか、主に20年~40年の超長期国債を増やす。一方、米国を中心とした為替ヘッジ付き外国債券は9社で減少させる。22年度からのヘッジコストの高止まりが続いているため。
長期の保険契約を抱える生保各社では、ALM(資産・負債の総合管理)の観点から超長期の日本国債での運用が一般的で、…
2023年5月12日号16面 特集 【読者の意見】異次元金融緩和10年の評価、5割「部分的に良かった」
植田新総裁には「正常化」望む
黒田東彦・日本銀行総裁が4月8日に退任した。政府とのアコード(共同声明)に基づき「2%物価安定目標」を掲げ、異次元金融緩和を10年という長期間にわたり実行した。直近で国内物価は上昇しており、4月9日に就任した植田和男・新日銀総裁は「出口戦略」をどうするかが問われている。黒田・日銀の10年と異次元金融緩和の評価に加えて、植田新総裁への期待を聞いた。
■Q1.黒田・日銀の10年間を採点すると
「40~59点」が最多の30人となった。「マイナス金利政策の導入により経済・金融市場に対する弊害が大きく…
【写真】4月8日に退任した黒田東彦前総裁(左)と9日に就任した植田和男新総裁
2023年5月12日号19面 春の叙勲、金融界から26人受章
政府は4月29日、2023年「春の叙勲」の授章者を発表した。金融界からは26人が選ばれた。財務省推薦では、藤井秀人・元日本政策投資銀行代表取締役副社長(75)ら、退官後に金融機関などの役員を務めた10人が行政官時代の功績を認められて受章した。金融庁推薦では、日本経済団体連合会の副会長も務めた古賀信行・元野村証券社長(72)ら16人が受章した。
2023年5月12日号20面 青梅信金新座支店、住宅ローン、若い世代の人生設計を支援
2022年度実行額は11億6000万円
青梅信用金庫新座支店(福原英彦支店長=職員14人うち渉外5人。パート1人)は2022年度、住宅ローンを11億6千万円実行した。迅速な回答に加え融資が厳しい案件の審査通過をサポートし、顧客のマイホームの夢をかなえる。また、同店の融資取引先323社の7割を占める不動産業者とは、情報交換などで信頼関係を構築。2022年度下期は土地の仕入れ資金など不動産融資の残高は2億6千万円増の約126億円となった。
営業エリアは店舗のある埼玉県新座市のほか朝霞市や和光市、東京都は西東京市や東久留米市など広い。西武池袋線と東武東上線沿線で都心への通勤が便利なことや自治体の子育て支援なども充実。20~30代を中心にマイホーム需要は高い。
顧客には「物件の場所」「借り入れ状況」など要点を明確にして…
【写真】不動産業を営む取引先のマイタウン・内田隆成社長(左)と打ち合わせする福原英彦支店長(左から2人目)と青柳勢営業推進課長(4月13日、マイタウン本店)