2023年9月1日号1面 銀行界、「攻め」へ先行投資、DX関連・人件費増やす
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銀行界で、将来を見据えて先行投資する「攻め」の経営が鮮明になってきた。都市銀行5行(一部はグループ)と地域銀行98行の営業経費(2023年4~6月期)は2年連続で増加した。中長期的な収益増強を目指し、デジタルトランスフォーメーション(DX)や人材へ積極的に投資する動きが増えつつある。
23年4~6月期の営業経費は銀行界全体で約1兆7千億円となり…
銀行界で、将来を見据えて先行投資する「攻め」の経営が鮮明になってきた。都市銀行5行(一部はグループ)と地域銀行98行の営業経費(2023年4~6月期)は2年連続で増加した。中長期的な収益増強を目指し、デジタルトランスフォーメーション(DX)や人材へ積極的に投資する動きが増えつつある。
23年4~6月期の営業経費は銀行界全体で約1兆7千億円となり…
中小企業の海外志向が強まるなか、地域銀行が取引先のサポートに“あの手この手”を尽くしている。全国規模の商談会できっかけを作ったり、専用ファンドによる投資で海外進出を後押し。「現地での成功は容易ではないが、将来的に有望な市場での挑戦をできる限り手助けしたい」(関係者)考えだ。
東京都内で8月23日から2日間、「食」をテーマにした商談会が開かれた。日本政策金融公庫が主催し、…
【写真】来場者に商品を紹介する池田屋商店の溝口統括部門長(左、8月23日、東京ビッグサイト)
コロナ禍が終わり、民間金融機関には約130万件の実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資が残った。一定数の企業が借入金を返せなくなるのは避けられず、滞納してきた社会保険料などの支払いも中小企業の経営を圧迫する。マグマのようにたまった貸し倒れリスクの噴出を防ぐため、金融機関には債権放棄を含む抜本的な支援が求められる。だが、すべての企業を救うことは到底難しく、どこかで線引きを迫られることになる。中小企業の過剰債務問題の解消に向け、政府・与党のプレッシャーも強まるなか、無事にソフトランディング(軟着陸)できるかどうかの岐路にさしかかっている。
■のしかかる社保料
8月23日、飲食業や観光業の全国約10団体が、自民党の金融調査会でさらなる金融支援を求めた。各団体の要請文には…
【写真】再開発に合わせ閉店を決めた飲食店。廃業は金融機関の取引先減少につながる(8月、都内)
生保料控除は子育て軸に
金融庁は、8月28日までに2024年度の税制改正要望を固めた。新しい少額投資非課税制度(NISA)開始に向け、利用する金融機関の変更や、金融機関による本人確認にかかる事務のデジタル化を目指す。長年の課題となっている生命保険料控除制度の拡充については、子育て支援を軸に据えて制度の見直しを求める。銀行の国際競争力強化を念頭に置き、海外進出する際の形態が支店か子会社かによって適用される税率が変わる仕組みの是正も、引き続き重点項目に掲げる。
現在のNISA制度では、利用者が口座を開設する金融機関を変える際、…
「女性役員3割」意識
3メガバンクグループは、次世代の幹部候補となる女性管理職の育成を積極化している。力を入れているのが、アンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)の改善やキャリア意識醸成に向けたマインドセット研修だ。成長を後押しし、政府が掲げる「2030年までに女性役員30%以上」の目標達成につなげる。
「日常業務とは異なる視座で、組織全体を俯瞰(ふかん)する必要性を感じた」。三井住友フィナンシャルグループ(FG)の次世代幹部候補研修を終えた女性社員は…
【写真】新任部店長向けに決断力を養うロープレの1コマ(みずほFG提供)
【鹿児島】鹿児島銀行は、医療法人などを対象にした有償コンサルティングサービス「かぎんプレミアムサポート」の年間収入が1億円規模に成長している。専門部署の医業支援部がノウハウ蓄積を進め、外部の専門企業に委託せず、ほぼ自前で全てのコンサルを専担者が担える体制を構築。これまでのサービス提供先は約80法人に上る。
同行は累計45人を医療機関などに出向させており(出向中は2人)、習得した知識・経験を取引先医療機関に還元する。例えば、…
投信積立がけん引
インターネット証券の預かり資産残高の拡大が著しい。主要ネット証券5社の6月末の残高合計は約63兆円と、3年間で倍増した。増加率トップの楽天証券の残高は22兆円を超え、同期間で2.8倍に成長。28年末までに40兆円を目指す。SBI証券は7月末に30兆円を突破するなど、大手2社に資金の流入が集中している。
成長のドライバーは投資信託の販売増加だ。ネット証券5社の預かり資産残高に占める投信の比率は27%まで上昇し、…
地域・外部連携し備え厚く、リスク予見・耐久力底上げ
100年前の1923年(大正12年)9月1日、首都圏を中心に死亡・行方不明者が10万5000人に上った関東大震災が発生。日本銀行の「日本銀行百年史」によると、当時の東京市内にあった銀行支店310カ店のうち、71.5%にあたる222カ店が焼失した。現在は当時と比べ、インターネットやスマートフォン、電源供給設備、ハザードマップなど、防災や復興に生かせる社会基盤は多様化。活用する一方で、被災時には、そうした基盤の確保自体も課題となり、金融ネットワークもその一つ。被害抑制や復旧には、金融機関自身の対策のみならず、平時からの地域の災害耐性向上、被災地区外からの支援も不可欠だ。自治体や事業者と連携して備えを厚くする関東地区金融機関の取り組みを取材した。
■三菱UFJ銀行、災害時優先運営40カ店、AIで拠点の浸水把握
三菱UFJ銀行は、災害時の危機対策本部の設置や、全国で40カ店の優先運営、通信手段の重層的な確保など危機管理体制を整備。防災訓練やハザードマップ更新などを通じて…
【写真】東京都慰霊堂では関東大震災発生100年を前に、東日本大震災の被災者が切り出した竹から作った灯籠(とうろう)に火を灯すイベントが開かれた(8月20日、墨田区)
行職員の着服や詐取3件増
信用金庫や農業協同組合など協同組織金融機関での着服・詐取が後を絶たない。2023年上半期(1~6月)に判明した金融機関の内部事件は30件(本紙調べ)に上り、2022年上半期から3件増加。「信金」(7件)と「農協・信農連」(7件)で半数近くを占めた。
地域銀行での発生数も膨らみ、すでに2022年通年(4件)を上回る…
「転職、一度は検討」77%
金融界で、転職や起業により自主退職した「アルムナイ(卒業生)」と交流する動きが活発化してきた。異業種で経験を積んだ卒業生とのネットワークを構築することで、金融機関は組織風土改革や新事業における協業などに生かすことができる。人材への積極的な投資を通じて企業価値向上を目指す「人的資本経営」が浸透しつつあるなか、アルムナイとどのように関わっていくべきか。制度化の必要性や、転職に対する意識への影響、卒業生に求められる役割などについて本紙読者に聞いた。
■Q1.アルムナイ制度はあった方がいいか
全体の80%(58人)が「あった方がいい」と答えた。関西地区地銀の行員(50代)は…
【写真】日本郵政グループは、アルムナイと現役社員の交流会を開催した(3月22日、日本郵政本社)
武家屋敷を有効活用
【鹿児島】鹿児島銀行出水中央支店(杉元浩一支店長=行員26人うち渉外4人。パート・嘱託4人)は、出水市と協力して、地元の観光資源である「武家屋敷群」を活用した地域活性化を支援。空き家をリノベーションした3棟の「武家屋敷ホテル」を観光事業の起爆剤にする。事業主体は、古民家を活用した街づくりを行ういづる社(出水市)で、資金面などから同社を支える。
武家屋敷群のある麓(ふもと)地区は、商業施設が規制され、外国人も訪れる観光地でありながら受入態勢が整っていない。また、築120年の伝統的な建造物55棟のうち20棟以上が住民不在で…
【写真】武家屋敷ホテルからは中庭を眺められる。写真は左から、いづるの小野由貴取締役、杉元浩一支店長、担当者(7月25日、RITA出水麓宮路邸)
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インタビュー (6面) 「ニッキンONLINE」に掲載 |
小林・四国銀行頭取 お客さまと行員の声聞く |
インサイト キーパーソンに聞く<88> (13面) |
河野 一典・アイティフォー 執行役員決済ビジネス事業部長 キャッシュレス化支援 |
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