2023年9月29日号2面 【実像】 中小企業の人材不足解消へ、存在感高める信金・信組
中小企業の経営課題を解決する人材支援で、信用金庫と信用組合の存在感が高まっている。東京商工リサーチが全国企業に4月に実施したアンケートによると、「正社員が不足している」と回答した中小企業は全体の65.5%に達するなど人手不足は深刻化。企業としてすでに不足が顕在化したワーカーだけでなく、販路拡大やデジタル化に向けた高度な知識・ノウハウを有する人材の紹介も急務で、地元密着を強みとする信金・信組が参入する必要性が強まっている。
■副業・兼業に活路
企業への人材紹介は、一般に常勤雇用の活用を提案する戦略がビジネスとして成立しやすい。そのため…
【写真】営業店の日報を確認し、提案先を話し合う玉島信金の職員(9月15日、本店)
2023年9月29日号3面 金融庁、「隔月分配」けん制、新NISAへ趣旨強調
金融庁は新しい少額投資非課税制度(NISA)の開始を前に、分配頻度が高い投資信託などの販売を検討する金融機関をけん制し始めた。隔月分配型商品を対象商品として届け出る動きが見られるなか、金融業界団体との意見交換の場で制度の趣旨に沿った営業を展開するよう求めた。分配型商品は高齢者を中心にニーズが根強い面もあるが、新NISAの利用者へ積極的に販売すれば当局による監視の目が強まる恐れもあり、金融機関は難しい判断を迫られる。
新NISAは、年間240万円まで投資できる「成長投資枠」で毎月分配型の投信を対象から除外する。複利を生かした長期的な資産形成に向かないと…
2023年9月29日号5面 三井住友銀行、「ストア」出店加速、2024年1月で計20カ店に
三井住友銀行が展開するリテール向けの新型拠点「ストア」が拡大フェーズを迎えている。1月に試行を始め、9月末までの約9カ月間の出店数は8カ店にとどまっていたが、10月から2024年1月初旬までの約3カ月間で新たに12拠点増やし、合計で20カ店を計画する。三井住友フィナンシャルグループ(FG)の総合金融アプリ「オリーブ」を軸とした新たなビジネスモデルの構築を進めるなか、ストアはデジタルチャネルの補完機能として重要な役割を果たす。
ストアは、9月19日にオープンした「ココリア多摩センター店」で8カ店目。10月以降、24年1月までに予定する新設店はいずれも…
【写真】他のテナント同様に通路から中の様子が見やすい(イオンモール千葉ニュータウン店)
2023年9月29日号6面 百五銀行、企業型DC300社受託へ、加入者の投信運用9割
【名古屋】百五銀行が、企業型確定拠出年金(DC)の運営管理機関として受託企業を拡大している。2023年3月末で受託先は289社、加入者は1万7075人に上る。今年度中に300社を超える見込みで、東海地区の地銀でトップクラスの実績だ。
企業型DCは、企業が拠出する掛け金で従業員が年金を運用する制度。企業に代わって年金制度の設計や運営・管理を担うのが運営管理機関だ。一時は参入していた多くの地銀が業務負担を理由にやめるなか、同行は運営管理機関を継続。取引のない企業を開拓でき、将来の預かり資産獲得につながると考え、…
【写真】加入者に企業型DCの制度を説明する百五銀行担当者(百五銀行提供)
2023年9月29日号7面 島根銀行スマホ支店、年内に預金300億円へ、顕在層へデジタル広告訴求
【広島】島根銀行のスマートフォン支店「しまホ!」が9月26日で開設1年を迎えた。預金残高は9月時点で200億円を突破し口座数は8千口座に上る。2023年中にも預金残高300億円・1万口座に達する見通し。
■週単位で検索見直し
好調の要因は効果的なデジタル広告戦略。マーケティングサービスを提供するリードプラス(東京都)がブランディングに協力している。
しまホ!は口座開設までの手続きを4ステップと少なくし…
2023年9月29日号15面 kamameshi 同じ釜の飯を食う みずほFG、味競い合う四つの食堂
社員考案のメニューも
金融機関の社員食堂を紹介するこのコーナは今回で最終回。大手町にあるみずほフィナンシャルグループ(FG)本社10階の食堂を訪ねた。
メニューは日替わりで、4種類の定食と3種類のそばやパスタなどの麺(350~500円)。ローストビーフサラダやぜんまいナムルなど小鉢も充実しており、人事業務部の原利都子さんは「食べ応えのあるサラダに最近はまっている」と話す。運営するグリーンハウスは「とんかつ新宿さぼてん」を展開しており、食堂でも月に一度、料理長が目の前で…
【写真】お昼ごろはほぼ満席に(9月15日、大手町本社10階食堂)
2023年9月29日号16面 特集 2023年3月期の銀行監査報酬、総額233億円で前年並み
「非監査」業務は減少
大手行、地域銀行が2023年3月期に監査法人へ支払った報酬額は、監査証明業務への報酬が合計で約220億3000万円、非監査業務への報酬が約12億8000万円で総額は233億2000万円となった(有価証券報告書から集計)。監査証明業務が増えた一方、非監査業務は減少し、総額ベースでは前期(2022年3月期)並みの水準となった。
◆監査証明業務◆
大手行の監査証明業務に対する報酬額は前年同期比約5千万円増加。三菱UFJフィナンシャル・グループが…
2023年9月29日号17面 特集 【読者の意見】リアルかオンラインか、仕事がはかどるのは出社57%
5月に新型コロナウイルス感染症が5類に移行してから、5カ月が過ぎた。未曽有のパンデミック(世界的大流行)は社会生活を一変させ、仕事面ではテレワークをはじめとするオンラインでの働き方が普及した。一方、金融機関ではオンラインでは代替できない業務が他業種に比べて多いという意見もある。リアルとオンラインのどちらが効率的か読者に聞いた。
■Q1.出社と在宅勤務、仕事がはかどるのはどちらか
「出社」が最多の57%(42人)となった。「個人情報の塊のような書類で与信判断をしている状況から…
【写真】コロナが5類になり、リアルの集合研修も再開し始めた(7月21日、JA共済幕張研修センター)
2023年9月29日号20面 十八親和銀行北松ブロック、水産業支援、知識習得へ融資勉強会
僚店連携で独自戦略
【福岡】十八親和銀行北松ブロック<松浦・(松浦中央)、平戸、江迎、田平、生月>(高橋耕司松浦・松浦中央支店長兼ブロック長=行員15人うち渉外担当7人。スタッフ9人)は、水産業の活性化を支援するため、ブロックで連携した独自戦略を展開。水産業向け融資に力を入れ、関連知識習得の勉強会を開いている。
営業エリア内の長崎県松浦市は、アジの水揚げ量日本一。総生産額は県内トップクラスの水産業が盛んな地域。一方、人口減少の加速や…
【写真】高橋耕司支店長(左から3人目)は行員と水産業の取引先企業からヒアリングしたことを情報共有する(9月7日、十八親和銀行松浦・松浦中央支店)