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ニッキン・2023年5月19日号

主な記事

2023年5月19日号1面 銀行界、有価証券含み損処理進む、メガ銀・12月期比8500億円減

  • 経営

 地域銀はバラツキ
 メガバンクや地域銀行で含み損を抱えた債券の処理が進んでいる。メガバンク3行は2023年3月期の債券関係損益に合計で約7千億円の損失を計上。22年12月末に合計2兆7222億円あった外債の含み損は8515億円減って1兆8707億円になった。地域銀行でも同様に処理が進んだものの、最終利益は好調だったメガ銀に比べバラツキがでた。
 各行は米国の金利上昇を受け含み損が発生した外債などを損切りし、売却損を計上した。含み益のある株式の売却でカバーを図るも…

2023年5月19日号16面 G7財務相・中銀総裁会議、デジタル危機防止へ結束

  • 国際

 目立った米国金融の歪み 
 日本が議長を務めるG7(主要7カ国)財務大臣・中央銀行総裁会議が5月11~13日に新潟市で開かれ、デジタル化した社会で起こり得る金融危機の防止に向けた結束を強めた。最終日にとりまとめた共同声明では、各国の金融当局間で見られる規制・監督のギャップを是正する方針が明記され、地方銀行の破綻が相次いでいる米国に、改善を求める姿勢が読み取れる内容になった。一方、ウクライナや新興国に対しては、投資促進や過剰債務の解消支援に注力する方針で一致。世界経済の不確実性が高まるなか、日本主導で協調の重要性を再確認する3日間になった。

 ■規制・監督のギャップ是正
 今回の会議が始まる直前に重要なテーマとして浮上したのが、SNSを通じた信用不安拡大とインターネットバンキングでの急速な預金流出を防ぐための対策だ。3月以降、米国でシリコンバレー銀行(SVB)などの…

 【写真】柳都大橋を背景に記念撮影が行われた(5月12日)

2023年5月19日号2面 実像 「異例尽くし」の春闘(上)賃上げ起点で収益力強化

  • 法令制度政策
  • 経営
  • 投信保険

 銀行界の2023年春闘は、メガバンクを中心に即日妥結・満額回答が相次ぎ「異例尽くし」となった。メガバンクでは、賃金を一律に底上げするベースアップ(ベア)や定期昇給などを含め、実質6~7%の大幅な賃上げとなり、約30年ぶりの水準だ。地域銀行や信用金庫でも相次ぎ賃上げラッシュと言える様相を呈した。政府が賃上げを迫った23春闘の実態を追った。
 ■闘う前に“腹づもり”
 「賃上げを含めた人的投資を検討いただきたい」ーー。金融庁の中島淳一長官が1月中旬に地域銀行トップとの意見交換会で…

2023年5月19日号3面 金融庁、投信の参入障壁崩す、情報網や計算体制効率化

  • 法令制度政策
  • 投信保険

 金融庁は投資信託の組成・提供に参入する資産運用会社を増やすため、長年の課題になっている参入障壁の引き下げに動く。解約・設定に関する情報などをやりとりするシステムの開放や、業界内に残る基準価額を二重計算する仕組みの解消を促す。
 資産運用会社と販売会社の間で情報をやり取りするシステムは…

2023年5月19日号6面 群馬銀行、キャッシュレス化推進、加盟店開拓し1万6000店へ

  • ネット・システム
  • 為替・決済

 群馬銀行はクレジットカードやデビットカードを活用し、群馬県を中心に地域のキャッシュレス化を推進している。デビットカードの取り扱い開始後は原則、普通預金の口座開設者に同カードを付帯し、加盟店の拡大やマルチ決済端末の普及にも力を注ぐ。2025年3月末には加盟店1万6千店、取扱高2千億円を目指す。

 ■24年に「デビット」
 群馬銀は22年4月にスタートした中期経営計画「Innovation for “Purpose”」で地域のデジタル化やデータ利活用の高度化に…

【写真】群銀カードの営業担当者(中央)からキャッシュレス端末のレクチャーを受ける同社社員(右)と群馬銀行営業統括部員(5月12日、群銀カード本社)

2023年5月19日号7面 愛媛銀行、生保窓販のトスアップ強化、保険プラザ開設で加速

  • 経営
  • 投信保険

 【高松】愛媛銀行は、2023年度から生命保険販売のトスアップ体制を強化。本店に隣接した「保険ひろばひめぎんローンセンター松山店」は3月末で閉鎖し、4月12日に松山市内のはなみずき支店内に行員3人体制の保険プラザを新設した。
 旧店舗では開設から2年9カ月間で近隣店舗から約700件の保険契約・相談に関するトスアップがあったため、新興住宅地に拠点を移し、若年層を中心にニーズを深掘りする。一時払い保険に関するニーズは…

【写真】はなみずき支店内に開設した「保険プラザ」。行員3人がニーズ喚起を担う(4月28日、保険プラザ)

2023年5月19日号10面 MS&ADグループ、人的資本コンサル強化、地域銀行などに提案へ

  • 経営
  • 投信保険

 MS&ADインシュアランスグループは、金融機関向けの人的資本経営コンサルティングを強化する。MS&ADインターリスク総研が開発したコンサルメニューを、三井住友海上火災保険の金融機関担当者が地域銀行などに提案する。2月には一部信用金庫から部分的なメニューを受注するなど引き合いが増えており、契約先のさらなる拡大を図る。
 人的資本経営に関しては、上場企業は2023年3月期の有価証券報告書から記載が求められる。人材育成策など19項目を開示し、…

2023年5月19日号18面 第二地銀協、論理的思考の実践研修創設、5カ月でスキル定着へ

  • 人事施策

 第二地方銀行協会は、会員行向けに「論理的思考」をテーマにした実践研修を創設する。参加者同士の討議や発表などアウトプット重視の構成で、能動的に行動できる人材の育成を支援するのが狙い。初回は7月から5カ月間にわたり5回シリーズで開く。
 最大15人の少人数制で、月1回程度の頻度で実施する「インターバル形式」にする。講義は対面とオンラインを交互に実施し、初日は対面で参加者同士の交流を図る。対象は…

2023年5月19日号11面 特集 大手行5G、2023年3月期決算、純利益6.9%増の2兆8293億円

  • 経営
  • 特集

 円安や貸出増が支えに
 大手行5グループ(G)の2023年3月期決算は、5社合計の当期純利益が6.9%増の2兆8293億円だった。MUFGユニオンバンクの株式譲渡に伴う評価損などを計上した三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)を除き、4社が増益を確保した。コロナ禍からの経済回復が進むなか、円安による為替影響や大企業を中心とする法人貸出の増加が後押しした。

 ■利ざや改善、資金利益増
 貸出利ざやが改善しているほか、欧米の金利上昇により外貨預貸金収益が増加していることを受け…

 【写真】決算発表に臨む大手行5グループのトップ。(左から)木原正裕・みずほフィナンシャルグループ社長、亀澤宏規・三菱UFJフィナンシャル・グループ社長、太田純・三井住友フィナンシャルグループ社長、南昌宏・りそなホールディングス社長、高倉透・三井住友トラスト・ホールディングス社長(5月12~15日、都内)

2023年5月19日号17面 アルヒ、住宅ローン変動比率5割に、SBI新生銀行と商品開発

  • 融資

 住宅ローン専門金融機関のアルヒは、超長期固定型住宅ローン「フラット35」を主体にした商品構成を見直す。変動金利型に注力して変動比率を足元の10%から2027年度までに50%程度まで引き上げる方針。収益改善が狙い。同じSBIグループのSBI新生銀行と共同で商品開発に着手し、属性を問わず幅広い顧客に対応できるほか審査スピードが速い商品性を目指す。
 足元、フラット35の金利は主要金融機関平均の変動金利と比べて約150ベーシスポイント(1.5%)上回る。2023年3月末のフラット35の…

2023年5月19日号20面 北陸銀行福井エリア福井支店、法人コンサル、訪問頻度高めニーズ喚起

  • 営業店

 補助金の申請指南
 【金沢】北陸銀行福井エリア福井支店(手下(てが)康和執行役員支店長=行員38人うち法人渉外6人。パート8人)は、訪問頻度を高めニーズを喚起する法人コンサルティング営業が活動の柱だ。業種を問わず多くの企業への外訪を継続して案件獲得の機会を増やし、事業再構築補助金の申請支援などにつなげている。
 手下康和支店長が着任したのは2021年6月。実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資による資金繰り支援が一巡したことや、コロナ禍で地域の経済活動が停滞していたこともあり…

 【写真】井上繁社長(右手前)と進ちょく中の案件について話すコンサルティング営業部と福井支店の行員。右奥は手下康和執行役員支店長(5月11日、井上商事)

社説/ニッキン抄

学び (14-15面)

【Nikkin 金融講座】
  • FP実践力強化[6]:知っておきたい昨今の税制・制度・法改正(2)
  • 事業承継の今を読む[6]:後継者の決定状況(3) (経営状況)
  • 最新のコンプラ知識[6]:融資業務におけるコンプライアンス(1)
  • やさしい金融法務[6]:所有者不明土地等に関する法制度(1)
Discovery 専門家に聞く ロングブラックパートナーズ パートナー・牛越 直 氏
次世代に事業再生ノウハウの継承を
投信窓販優績者に聞く 長野銀行・仲俣 優花さん
商品を好きになる
いまさら聞けない時事用語 イールドカーブ・コントロール (YCC(ワイシーシー))
※「Nikkin 金融講座」は過去掲載分も含め、「ニッキンONLINE」でご覧になれます。

レギュラー企画

『寸言』 北海道のポテンシャル (1面)=佐藤 信明・北海道信用金庫理事長
『東西ペンリレー』 地方創生の取り組み (12面)=麻生 博章・千葉銀行常務執行役員
『ちょっと一言』 演技で違う自分になれる (12面)=女優・モデル・柳 美稀さん
『初支店長(803)』 主体性を引き出す (20面)=高崎信用金庫六郷支店長・藤井 有紀氏
『スマイル』 顧客から愛される職員に (20面)=あぶくま信用金庫・菊地 佑奈さん

企画・特集・連載など

セキュリティー専門家に聞く (4面)
 「ニッキンONLINE」に掲載
徳丸 浩・EGセキュアソリューションズ取締役CTO
インターネットバンキングにSIMスワップ対策急務
【マーケット・トレンド】 (5面) [為替]植田新体制の多角的な検証注目、ドル円は堅調を継続
 柴田 秀樹・東海東京調査センター 投資戦略部 グローバルストラテジーグループ 金利・為替シニアストラテジスト
[金利]政策修正の観測は総崩れ
 熊野 英生・第一生命経済研究所 首席エコノミスト
【フロントライン】
 営業店を支える最新テクノロジー (13面)
ISDN終了対応特集
代替案への移行が急務
インタビュー (17面) 大林・アナザーワークス代表取締役
「ブレない目的」がカギ
フレッシャーズに贈る (18面)
 私のこだわり [6]
銚子商工信用組合・齋藤 大知さん
調べれば自信がつく

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