2023年9月8日号3面 金融庁、中小支援へ旗振り止めず、情報共有は都道府県別に
REVICの知見も還元
金融庁が、金融機関による中小企業の経営改善や事業再生に向けた旗振りを続けている。9月以降、官民の金融機関や中小企業支援団体が集まる情報共有の会議を都道府県別に開き、支援の要請をさらに強める構え。現場の行職員に向けて作った「業種別支援の着眼点」の充実や、地域経済活性化支援機構(REVIC)を通じた知見の還元も急ぐ。
情報共有の会議は、4~6月に全国12カ所で開いた。債権放棄を伴った支援事例などを紹介したうえで…
2023年9月8日号4面 環境省、脱炭素化へ対話促す、地銀3行に支援プログラム
TCFD開示内容を高度化
環境省は、地域金融機関に取引先との脱炭素化に向けた対話を促す。地方銀行3行を対象に、新たな支援プログラムを開始。数社への対話を通じて、脱炭素化に向けた合理的な目標を設定し、具体的な支援策を講じる。最終的には「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に沿った開示内容の高度化につなげたい考え。
同プログラムは8月下旬に開始。広島銀行や第四北越銀行、北国銀行が参加する。6回程度の個別支援面談に加え…
2023年9月8日号5面 三菱UFJ信託銀行、DCアプリ利用40万件に、加入者の65%が運用開始
三菱UFJ信託銀行が手がける企業型確定拠出年金(DC)の運用管理アプリ「D‐Canvas」が、定期預金のまま運用を始めていないDC加入者の行動変容を促す資産形成ツールとして注目されている。2021年6月にリリースして以降のダウンロード数が23年8月には40万件に達し、アプリ利用によって運用に無関心だったDC加入者のうち約65%が投資信託などで運用を開始する結果が出ている。
同行では、運用に無関心な層にDCを身近に感じてもらい、運用知識や経験に関わらず無理なく運用に踏み出せるかを議論した結果、…
【写真】シンプルなデザインと操作性の高さで評価されるDCアプリ「D-Canvas」
2023年9月8日号6面 地域銀行の2023年6月末NISA口座数、福岡銀行・北洋銀行が業態1位
上位にふくおかFG傘下行
投資信託の窓口販売をする全金融機関を対象に本紙が実施した調査で、2023年6月末の少額投資非課税制度(NISA)口座数が分かった。地方銀行ではトップに福岡、次いで関西みらい、十八親和が並んだ。第二地方銀行は北洋、熊本、みなとが上位に位置した。顔ぶれは固定化されつつあり、ふくおかフィナンシャルグループ(FG)傘下の銀行が目立つ。
調査は、投信窓販をしている361機関のうち、8割超の306機関から回答を得た。NISA口座数は…
2023年9月8日号7面 じもとHD、コロナ特例1号、公的資金180億円
SBIは19億6000万円追加出資
【仙台】じもとホールディングス(HD)は9月1日、新型コロナウイルス感染症等に関する特例(コロナ特例)の公的資金が決定したと発表した。コロナ特例の適用第1号となった。
じもとHDは、2024年9月末に200億円の公的資金の返済があり、コロナ特例なしでは自己資本が激減し、取引先の抜本的な再生支援が難航すると判断。22年度中にも申請する予定だったが、子会社きらやか銀行の与信関係費用の増加に伴い、…
【写真】コロナ特例とSBIグループの追加出資の決定を発表する鈴木社長(9月1日、仙台市)
2023年9月8日号9面 遠賀信金、感謝伝えるカード活用、職員同士の接点拡大
【福岡】遠賀信用金庫(福岡県、岡部憲昭理事長)は、従業員満足(ES)向上のため、職員間でカードを通じて感謝の気持ちを伝える「Smileカード」の取り組みが奏功している。ある職員の取り組みが他支店に広がったり、職場の風通しが良くなるなど、職員同士の接点拡大に寄与している。
Smileカードは、営業店に勤務する若手職員15人による「Smile委員会」内のES向上委員会の5人が運営、…
【写真】カードの集計作業に取り組む北村さん(左から2人目)らES向上委員会の職員(8月22日、本部)
2023年9月8日号17面 野村グループ特例子会社、障がい者雇用が100人に、活躍機会を創出
野村グループの特例子会社である野村かがやき(東京都)は、2023年度末までに障がい者雇用数を現在の80人から100人へ増やす。グループの人的資本経営の一環で、コロナ禍で滞っていた採用活動の正常化に加え、法定障害者雇用率の段階的引き上げも要因。採用拡大に合わせ指導員の育成などの課題解決へ向け、異業種特例子会社との交流も加速する。
野村グループの国内主要各社の障がい者雇用数は366人(23年5月末)。従来は主に野村証券営業店へ配属してきたが、…
【写真】社内郵便の仕分け作業をする野村かがやきの社員(9月5日)
2023年9月8日号16面 特集 事件特集(下)、強盗・情報流出・その他事件(2023年1~6月)
店舗強盗3件減・現金被害は増
2023年1~6月(上半期)に金融機関で発生した店舗強盗事件は7件(日本防災通信協会調べ、犯行現場が特定・公表されている事件のみ)で、前年同期比3件減少した。引き続き、郵便局での発生が多く、現金被害は4件(最高額は6万円)と同2件増加。局員が刃物で顔などを切りつけられ、重傷を負う犯行もあった。
顧客情報に関する…
2023年9月8日号20面 川崎信金鹿島田支店、ビジネスマッチング、提携先と綿密に連携
設備更新・内装工事など支援
川崎信用金庫鹿島田支店(横溝大支店長=職員23人うち渉外7人)は、業務提携先と連携したビジネスマッチング支援で成果をあげている。同信金の提携先で内装工事などを手がけるネクシィーズ(東京都)と連携し、蛍光灯のLED化などのニーズに対応。顧客の元へ積極的に足を運び、ニーズをくみ取ることで多様な支援策の展開を実現した。
主要営業エリアは川崎市幸区の鹿島田地区周辺。商店街や住宅地が立ち並び、古くからの商店や個人事業主が多い。業種も製造業や飲食など多様だ。2021年10月に着任した横溝大支店長は…
【写真】内装工事をした病室で談笑する横溝大支店長(左)と月川賢院長(中央)、横山伸泰事務局長(8月18日、川崎市)