2023年7月14日号1面 金融庁、“ゼロゼロ”出口対応 集中ヒアリングで点検、中企庁も政策転換へ
- 法令制度政策
金融庁は、コロナ禍の実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資で過大な債務を抱えた事業者が円滑に再生に向かえるよう、地域金融機関の集中ヒアリングに乗り出す。中小企業庁も資金繰り支援を軸にした政策からの脱却を目指しており、コロナ禍対応の金融支援は出口に向かう。
集中ヒアリングは、金融庁の2023事務年度の重要課題になる。自民党の金融調査会は3月の決議で…
金融庁は、コロナ禍の実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資で過大な債務を抱えた事業者が円滑に再生に向かえるよう、地域金融機関の集中ヒアリングに乗り出す。中小企業庁も資金繰り支援を軸にした政策からの脱却を目指しており、コロナ禍対応の金融支援は出口に向かう。
集中ヒアリングは、金融庁の2023事務年度の重要課題になる。自民党の金融調査会は3月の決議で…
【福岡】肥後銀行は、指定金融機関を務める地方自治体支援の一環で会計業務を受託。2022年4月、全国の地域銀行に先駆けて、熊本県の八代市・南小国町の両自治体から委託を受けて1年余りが過ぎた。高齢化と過疎化が進む地域での新たなビジネスモデルとして南小国出張所の事例を紹介する。(野崎典和、佐藤涼香)
同出張所は店舗老朽化と採算性低下に伴い、撤退も検討されたが、22年4月に南小国町役場庁舎内に移転オープン。きっかけは、高橋周二町長から…
世界全体の生産量が過去20年間で約4倍に拡大した養殖業。水産庁は2020年に「養殖業成長産業化総合戦略」を策定(21年改訂)して以降、金融機関の融資を促す施策を講じてきた。資金調達サポートは増えつつある一方、国内需要が低迷するなかで販路拡大に向けた支援も急務となっている。各地の取り組みを追った。
■補助事業が融資後押し
水産庁は20年、金融機関による養殖業の目利きに役立つ「養殖業事業性評価ガイドライン」を策定した。加えて…
【写真】農林中金の取引先である海神貿易が熊本県天草市に所有する養殖場(同社提供)
136人で12%に微増
東京証券取引所に上場する80行・グループ(G)は、2023年度の女性役員(社外含む)比率が12.2%で22年度比0.8ポイント微増したことが分かった。22年度のプライム市場上場企業は11.4%で、初めて上場銀行が上回った。ニッキンが23年3月期の有価証券報告書をもとに、取締役・監査役・執行役(執行役員は含まず)の人数などを調べた。
増員したのは8行・Gだった。みずほフィナンシャルグループや北国フィナンシャルホールディングスなどが増やした。千葉銀行は…
あおぞら銀行は、地域金融機関の取引先に対する再生支援を後押ししている。7月にも実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資の返済が本格化するなか、自力再建が厳しい債務者を抱える地域金融機関から相談件数が増えているからだ。再生ファンド活用の提案や中小企業版「私的整理ガイドライン」に沿った支援を推進。特にファンドを活用した再生支援は2022年度に43件と前年度比で倍増。21~25年度の5年間の累計目標を100件から150件に上方修正した。また、22年度に124億円だった事業再生債権の買取金額も25年度には140億円まで伸ばす方針。
再生ファンドの活用は、公平性の観点から特定企業だけの債権カットに応じられない地域金融機関にとって円滑に進めやすくなる。債務者にとっても、…
紙なし標準化へ切り替え促す
常陽銀行では、紙の通帳の発行数が年間約10万冊のペースで減少。2022年度の発行数は約68万冊で、紙通帳を発行しない「ウェブ口座」を始めた直後の18年度と比べ、35万冊減った。新規個人客へのウェブ口座の浸透が背景。同行では、既存客に対する切り替え提案も加速し、「紙なし」をスタンダードにしていく考えだ。
ウェブ口座は、銀行アプリや通帳アプリ、インターネットバンキング(IB)などを通じ、…
信用金庫・信用組合が認定支援機関を務める事業再構築補助金の採択率が好調だ。直近で結果が出た第7~9回公募では、信金業界の採択率が58.8%、57.4%、51.9%を記録。信組業界の採択率は47.8%、49.6%、46%だった。第1回公募(信金39%・信組36%)と比較すると、それぞれ10ポイント以上の増加。活用が浸透するなかで、申請支援の手数料有料化も広がっている。
同補助金は2021年度に開始。申請支援は、取引先に対して設備投資を促すきっかけとなるほか、…
地域銀行は、地方税統一QRコードを利用した納税を増やすため、周知活動に力を入れる。来店客にスマートフォンアプリを通じた決済方法を案内したり、電子納付した人に現金などのインセンティブを与えたりしている。「納税者、地方公共団体、銀行界にとって三方よしの取り組み」(地銀首脳)だけに、各行は利用者の増加へ向けて知恵を絞る。
スマホ決済サービスを提供するビリングシステム(東京都)は、多数の地域銀で導入実績があり、…
地方銀行・グループ(G)で、人事部門と経営企画部門の機能を「融合」する動きが広がっている。人的資本経営を成功に導くには、事業戦略に合わせた人事施策の企画・立案や、他部門との総合調整が重要になるためだ。ほくほくフィナンシャルグループ(FG)や山梨中央銀行は組織改正を行い、人的資本経営の旗振り役を決めた。
これまで人事部門に求められる役割は、労務コンプライアンスなど「守り」の要素が強かった。人への投資を通じて企業価値を目指す人的資本経営が投資家から注目され、…
貸金業界は、多重債務者の急増に懸念を強めている。日本信用情報機構(JICC)の調査によると、貸金業者から「5件以上借り入れている」人が、2023年5月末で13万5千人(前年同期比25%増)に上った。業界団体の日本貸金業協会は、消費生活センターなど外部機関とも連携しながら若年世代などに借り過ぎへの注意を呼びかける方針だ。
JICCによると、貸金業法の対象となる個人向け貸付のうち、5件以上借り入れは73万2千件で…
褒めて伸ばす若い力
【名古屋】「業績表彰を獲得するのが難しい店舗」。百五銀行津新町支店(松田尚之支店長=行員27人、アシストスタッフ9人)は、この定説を覆し、2022年度下期に7年ぶりに銀賞を受賞した。「褒めて伸ばすこと」に徹した結果、入行5年前後の若い行員の力が支店の推進力となり、アシストスタッフとの連携にもつながる好循環を生んだ。
松田尚之支店長は2022年7月に着任。支店長を既に経験しており、津新町支店長の直前には本店営業部副部長として全体を統括。その時に「こういう考えで指示をすると…
【写真】支店の明るい雰囲気が良い職場環境の土台になっている(6月14日、百五銀行津新町支店)
【Nikkin 金融講座】 |
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