2023年8月11日号3面 実像 迫る「物流24年問題」、事業性評価で課題特定へ
金融界が、物流業界の「2024年問題」への対応に危機感を強めている。24年4月からトラック運転手の時間外労働の上限が年960時間に制限される。地域の輸送能力が低下すれば、物流事業者以外の幅広い取引先企業の業績悪化にもつながりかねない。施行まで8カ月を切るなか、金融機関としてどう対応すべきか。先行事例をもとに処方箋のヒントを探った。
■輸送能力34%不足懸念
上限規制が適用されると労働時間が短くなり、運転手の収入が減る。慢性的な運転手不足に拍車がかかる。また、輸送能力低下により…
【写真】トラックドライバーの長時間労働は長年の課題だ(8月5日、海ほたるパーキングエリア)
2023年8月11日号5面 りそなグループ、積立投信100万先めざす、資産形成層へ新アプリ周知
目標額から運用提案
りそなグループ(りそな銀行、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、みなと銀行)は2026年3月末までに積立投資信託の利用者数100万先を目指す。23年3月末時点では約20万先。グループの銀行に口座を持たない顧客を含め資産形成層の裾野を拡大するため。8月2日、グループアプリに積立投信の口座開設から購入まで完結できる資産形成機能を追加して利用者拡大に弾みをつける。
新機能は、りそな銀、埼玉りそな銀、関西みらい銀などで延べ約650万ダウンロードされている…
【写真】新アプリはシンプルなデザインで使いやすさを追求
2023年8月11日号6面 ほくほくFG、サステナ融資が目標6割達成、関連商品の充実で
【金沢】ほくほくフィナンシャルグループ(FG)は、取引先の脱炭素化支援に力を入れる。サステナブル関連の商品を充実させ、投融資の累計実績は3月末で2893億円に上る。2024年度末目標4500億円の6割を超え、取り組みを加速している。
環境対策と経営を結び付けるサステナビリティ・リンク・ローンやグリーンローン、ポジティブ・インパクト・ファイナンスのほか、ドアノックツールであるローン商品「スリーターゲッツ」をそろえる。
取引先の脱炭素支援の初期には…
2023年8月11日号7面 第二地銀協、フィンテック出向橋渡し、来春開始・候補は4社
第二地方銀行協会は、会員行のフィンテック出向を橋渡しする。銀行内外のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進が喫緊の課題となるなか、専門人材の育成をサポートする。フィンテック4社を候補にしており、2023年内に会員行へ詳細を説明する。実際の出向は24年4月からになる見通し。
第二地銀協によれば、会員37行のうちフィンテックへ行員を出向させているのは数行にとどまる。会員行からは、「(DXを推進するうえで)フィンテックの商品やサービスだけでなく、…
2023年8月11日号9面 茨城県信組、JRへ「食」売り込み、駅コンビニ・地産店向け
茨城県信用組合(茨城県、渡邉武理事長)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)水戸支社との連携協定を生かし、茨城県の「食の名品」などをJR東日本グループ各社へ売り込んでいる。2022年3月の協定締結から約1年半が経ち、商談会の開催は16回、紹介した取引先事業者は計66社に。JR東日本グループの高級スーパーマーケットに、天然酵母食パンのラスク、あられや干しイモが並ぶなどの成功例も出ている。
同信組では「品質への要求は厳しく、成約へのハードルは高いが、…
【写真】茨城県中部の汽水湖「涸沼(ひぬま)」特産のシジミを使った味噌汁を味わうバイヤー(7月27日、JR東日本水戸支社)
2023年8月11日号17面 日本生命、ESG投融資を高度化へ、全資産へレーティング付与
日本生命保険は8月7日、サステナビリティ・アウトカム(成果)の創出に向けた取り組みとして、ESG(環境・社会・ガバナンス)投融資の強化策を打ち出した。強化したのは、(1)独自のESGレーティングを全資産へ付与(2)ネガティブスクリーニングの対象拡大(3)アウトカムの計測・開示強化(4)エンゲージメントにおけるマイルストーン管理導入(5)ESG投融資ガイドライン策定。既に一部は実行しており、2024年度末の完了を目指す。
レーティングは、投融資先のESGへの取り組みが中長期的な企業価値にポジティブか否かで…
2023年8月11日号18面 阿波銀行、ES向上の好循環生む、課題を可視化し改善
【高松】阿波銀行は、生き生きと働ける職場づくりの一環で従業員満足度(ES)を高めている。関心が高まる人的資本経営の実現にも直結。行員一人一人のESを部店単位で可視化する施策を浸透させ、現場起点で職場環境を改善していく好循環を生み出す。
施策の核は、半年ごとに行う「エンゲージメントサーベイ」と呼ぶ取り組みだ。100問を超える行員向けアンケートで、2021年9月にスタート。組織に対する行員の期待度や満足度を数値化することで、…
2023年8月11日号19面 全銀協、マネロン対策関連の相談増、「金融業法等」が2倍に
銀行界で、マネーロンダリングやテロ資金供与対策に関する顧客からの相談や苦情が増加している。2022年度に全国銀行協会相談室に寄せられた相談総数は1万3458件で、前年度比4.5%増えた。増加件数が最も多かったのは「金融関連業法等」で、相談は2985件あった。前年度の2倍を超える水準に増えており、大半がマネロン・テロ資金供与対策関連だった。一方、コロナ禍の相談は沈静化した。
マネロン対策関連では、取引目的・職業などを確認する書面の具体的な記入方法や…
2023年8月11日号20面 愛知銀行金山支店、ブロック運営、メイン化・新規増へ相互補完
統括店のプライド・目標2倍
【名古屋】愛知銀行金山支店(堺谷憲裕支店長=行員18人うち女性8人、パート1人)は、名古屋第6ブロック統括店として、法人・個人のメイン化と新規増加を柱に強固な営業基盤を確立している。真のメイン化を合言葉に金山支店と構成店が連携。目標達成をカバーすることで、2022年度下期には競合ひしめくブロックで最優秀となる金賞を受賞。個別店でも金山支店が全店1位を獲得した。
同行は2021年4月にブロック営業体制をスタート。複数店舗の集合体であるブロックを一つの営業体とした…
【写真】営業店では、企業への提案手法について日々打ち合わせしている(8月1日、愛知銀行金山支店)