2023年11月3日号2面 SBI証券、プロ投資家を開拓、潜在層35万件見込む
SBI証券は東京証券取引所のプロ投資家向け市場「TOKYO PRO Market(TPM)」の上場支援業務参入を機に、特定投資家の開拓を始める。SBIグループの口座数は1千万を超えており、潜在的に約35万件が特定投資家への移行可能と想定。プロ投資家から資金調達可能な環境を整備し、一般市場への上場を目指すベンチャー企業の成長を後押しする。 8月にTPM上場を支援する「J‐Adviser」の資格を取得し…
2023年11月3日号3面 政府、投資子会社の規制緩和、再生支援へ総合対策
政府は11月2日、新たな経済対策を取りまとめた。金融機関による事業再生支援を加速させるため、2023年度中に新たな総合対策を作る方針を打ち出した。経営者に個人保証を求めない信用保証制度の創設に合わせ、3年間は保証料負担を軽減する措置も設ける。スタートアップ育成に向けた銀行投資子会社の規制緩和も、「23年度中を目途に」進める方針を固めた。 再生支援を進めるための新たな対策は、中小企業庁や金融庁が連携して作る。土台になるのが…
2023年11月3日号4面 地域銀行、アプリの非金融機能充実、地域クーポン搭載
利用者増へテコ入れ 地域銀行で、スマートフォンアプリの非金融機能を充実させる動きが活発になりそうだ。複数の地域銀が、アプリにクーポン機能を搭載する方向で検討している。アプリのリリースから数年が経過した銀行では「ダウンロード数が頭打ちになっている」(関係者)ケースもあるとみられ、テコ入れ策が急務だ。ユーザーの利用頻度を高め、金融サービスの提供につなげる。 複数行が導入を検討しているのはリロクラブ(東京都)のサービス「クーポンBank」。同社は宿泊、飲食、レジャーなど…
2023年11月3日号6面 信金界、中小機構と海外販路支援、マッチングサイト新設
信用金庫業界は、中小企業基盤整備機構と連携した海外販路開拓支援を強化する。信金中央金庫は10月、中小機構が運営するマッチングサイト「J‐Good Tech(ジェグテック)」内に、オンライン展示会サイトを新設。掲載対象は「エシカル(倫理的)消費」に貢献する雑貨や日用品を扱う事業者で、2024年1月末までに100社以上の掲載を目指す。 例えば、ドイツのドラッグストアでは、すべての商品のパッケージをリサイクル可能なものに変更するなど、…
2023年11月3日号8面 生保10社の運用計画、下期に国内債積み増し、YCC柔軟化の影響で
国内生命保険会社の2023年度下期資産運用計画は、上期に続き国内債への投資が進む。主要10社のうち7社が積み増す方針。日本銀行が7月にイールドカーブ・コントロール(YCC)を柔軟化し、国債などの金利水準が魅力的になったため。内外金利差から明治安田生命保険と住友生命保険が米国を中心としたオープン外債を積み増すなどのトレンドも出てきた。一方、為替ヘッジ付き外国債券を増やすところはゼロ。ヘッジコストは5%と上昇・高止まりが続くため。富国生命保険はヘッジ付き外債を全額売却した。 主要10社に23年度下期の運用計画を聞いた。長期の保険契約を抱える生保各社では、…
2023年11月3日号16面 Re スキル(1)経営陣主体で将来像共有を
プロローグ デジタル化など技術革新の波が押し寄せるなか、急速な変化に合わせた人材を育成する「リスキリング(職業能力の再開発)」に注目が集まっている。だが、金融界からは「何から始めればいいのか」「どれくらいの費用をかけるべきか」と悩む声も出ている。本号から「Re スキル」を全4回連載する。実際に事務職から職種転換して活躍する行員や、専門家のインタビューなどを通じ、成功のカギを探る。 2022年末ごろから急速に広まったチャットGPT(生成AI=人工知能)。その汎用性の高さに、…
2023年11月3日号9面 やさしいニュース解説 トランジション・ファイナンス
脱炭素への移行は段階的に 「トランジション・ファイナンス」という言葉をよく耳にするようになってきました。トランジション(移行)とは環境負荷の高い産業が「移行段階」を経て、脱炭素化を目指す過程を指します。石油・石炭など資源への依存度が高い場合、一足飛びの脱炭素化は現実的ではありません。日本政府は世界の主要国にその重要性を訴え、主流にしようと躍起になっています。トランジションは省エネルギー設備などの導入が必要です。今後10年間で国内で生まれる関連資金需要は脱炭素分も含めて150兆円と言われ、金融機関の投融資によるサポートが欠かせません。 ■Q1.注目され始めたのはなぜ? 日本政府は2020年10月、温室効果ガス(GHG=グリーン・ハウス・ガス)の排出を50年までに実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すと宣言しました。しかし…
2023年11月3日号17面 ちいきん会、企業版ふるさと納税で勉強会、福邦銀行などが事例紹介
地域金融機関の関係者らが集う「ちいきん会」は10月23日、東京都内で企業版ふるさと納税をテーマとした勉強会を開催した。同会の賛助会員となったRCG社が、金融機関連携による企業版ふるさと納税を活用した独自サービスを紹介。同社と連携する地域銀行が、その活用事例を発表した。 企業版ふるさと納税は、2016年度に創設。地方公共団体の地方創生に関するプロジェクトに対して寄付した企業が… 【写真】RCGの天間幸生代表取締役CEO(左)やちいきん会の新田信行代表理事らとの特別対談も実施した(10月23日、東京都内)
2023年11月3日号18面 北陸銀行函館支店、継続的な承継支援実る、親族の相続対策にも発展
地域に必要とされる銀行へ 【札幌】北陸銀行函館支店(広瀬賢一支店長=行員18人うち渉外担当6人。パート6人)は2023年度上期、地域や取引先から「必要とされ、応援され、感謝される銀行へ」をテーマに、取引先への事業承継・相続対策支援で一定の成果をあげた。担当者が変わっても経営の悩みに継続的に寄り添う姿勢や、法人取引だけでなく経営者親族のその後のライフプランも見据えた提案が顧客を引きつける。 2021年8月に着任した広瀬支店長は、同行が理念に掲げる「後から来る者のために」を徹底。行員には「数ある取引金融機関のなかで… 【写真】北海道地区事業部の担当者(右手前)とも連携し、取引先の幅広い経営課題に対応する(9月22日)