2023年7月21日号2面 特集 銀行設立150年 現代に息づく渋沢精神、「銀行は大河」 資金の流れ創出
7月20日、国内で最初の商業銀行「第一国立銀行」(現みずほ銀行)の開業から150年を迎えた。設立したのは「近代日本経済の父」と称される渋沢栄一だ。2024年7月に刷新される1万円札の顔になる。幼いころから「論語」を学び、その考え方は金融界のみならず、産業界でも多くの経営者が拠り所にする。生涯を通じて追い続けた「道徳経済合一」の理念は、公益と利益のバランスが今も求められる銀行界にとって目指すべき理想になる。 「銀行は洪河(大河)のごとし。役に立つことは限りない」。第一国立銀の設立に向けた株主募集パンフレットに記した一文は…【写真】<渋沢史料館所蔵>1873年、日本で最初の商業銀行として開業した「第一国立銀行」の旧営業場(本店)。和洋折衷の建物は現在の東京・日本橋兜町に外国人の手を借りずに建設された
2023年7月21日号4面 メガ銀や地銀など、住宅ローン業務をDX 事業者と進捗共有
みずほ銀行と三菱UFJ銀行、足利銀行、農林中央金庫など12行庫がタッグを組み、住宅ローン業務をデジタルトランスフォーメーション(DX)する。住宅事業者と案件の進捗(しんちょく)状況を瞬時に共有できるスキームを構築。電話などで連絡する非効率な現状を見直す。2024年度第1四半期の開始を目指し、検討会で詳細を詰める。 7月19日、大和ハウス工業や積水ハウスなど住宅事業者7社とNTTデータも交え検討会を立ち上げた。りそな銀行や西日本シティ銀行、三井住友信託銀行も…
2023年7月21日号5面 三菱UFJ銀行、全行員が生成AI活用へ、稟議支援や手続き照会で実証
三菱UFJ銀行は、2023年中に全行員が生成人工知能(AI)を活用できる環境を整える。業務効率化や捻出した時間をより付加価値の高い業務に充てるのが狙い。既に複数の業務で実証実験を終え、検証結果を確認。各部門への聞き取りをもとに110業務に対象を広げ、実用化につなげる。 同行はマイクロソフト社の「アジュール オープンAIサービス」を活用し、セキュアな環境で生成AIのチャットGPT利用を実現。5月に三菱UFJグループ横断のプロジェクトチームを立ち上げ後、…
2023年7月21日号7面 地銀、投資子会社の新設広がる、採算性ある案件確保が課題
地方銀行で、投資専門子会社を新設する動きが広がっている。7月に入り、秋田銀行や阿波銀行が設立したほか、9月には京都銀行が予定する。いずれも、ベンチャー企業や事業承継に取り組む企業などの支援が目的。専門家は「投資のノウハウを蓄積するには、ある程度の時間とコストが必要だ。それを補うだけの採算性ある案件の確保が重要になる」との見方を示す。 秋田銀は7月3日、100%出資の投資専門子会社「あきぎんキャピタルパートナーズ」を設立した。資本金は5千万円で、…
2023年7月21日号8面 信金中金、越境ECの利用拡大、取引先の集客支援強化
信金中央金庫は、信用金庫の取引先商品を掲載した特設ショップ「Japan Prime Selection」の利用拡大に向けた集客支援を強化する。2023年度中に、海外現地でのイベントやライブ配信を視聴しながら商品を購入できる「ライブコマース」によるプロモーションを展開する予定。6月には、インターネットを活用した海外販売への参入を促すため、2年ぶりのオンラインセミナーを開いた。 同ショップは21年4月、東南アジア・台湾で最大規模の電子商取引(EC)モール「Shopee」内に開設した。22年度末にかけては、…
2023年7月21日号9面 福岡信金、キャベツ農家を支援、産学金連携で設備開発
【福岡】福岡信用金庫(福岡市、安部文仁理事長)は、産学金連携でキャベツ農家の支援プロジェクトを始動する。売り上げ向上のため、キャベツ表面から判別不可能な内部の品質劣化を見分ける設備開発を目指す。 きっかけは、同信金がキャベツ製造販売業「エー・ワン」(福岡市)から「加工業者に出荷した後に品質劣化が見つかると、全て返品になってしまう」と相談を受けた。売上利益も10分の1以下になり、…
2023年7月21日号10面 三井住友海上、ネット自転車保険で提携拡大、2025年度までに20行庫へ
三井住友海上火災保険は、銀行や信用金庫を通じたネット自転車保険の拡販に力を入れる。全国の自治体で自転車保険の加入義務化が進んでいることに伴い、金融機関と組んで契約者を拡大する。4月に碧海信用金庫、7月1日には西尾信用金庫が取り扱いを始めたほか、4機関の採用が決まっている。当面は25年度までに20機関と提携し、累計10万件の成約を目指す。 近年、自転車事故は減少傾向にあるものの、なお年間6万件超のペースで発生している。このため全国42の都道府県では、…【写真】簡単な操作で自転車保険に加入できる(碧海信金の申し込み画面)
2023年7月21日号19面 新庄信金、金山町を落花生の産地に、地域とコラボ広がる
【仙台】新庄信用金庫(山形県、井上洋一郎理事長)は、山形県金山町を落花生の産地にするため、5年前からさまざまな取り組みをしている。地域の産業を一緒に考える若者の育成にも力を入れ、信金職員と高校生のアイデアによる洋菓子も誕生。新庄市内のレストランでは金山産落花生を使った商品企画が行われている。 金山町を落花生の新たな産地にしようと、取り組みが始まったのは2018年。同町と山形大学東北創生研究所、豆菓子メーカーの「でん六」(山形市)とで地域農業振興協定を結び… 【写真】料理を囲み感想を述べる(左から)金山町新産地開発協議会の青柳栄一会長、新庄信金の担当者、佐藤顕治シェフ、新庄信金・高橋寛典部長代理(パパクチーナ)
2023年7月21日号20面 大光銀行大形支店、スキルアップ、自走できるチーム・個人へ
2022年度下期1位・4連続表彰 【新潟】大光銀行大形支店(相澤英紀支店長=6月23日付で地域産業支援部副部長。行員14人うち渉外5人)は、職場の意識とスキルを高め「自走できるチーム・個人」を目指した運営に取り組む。行員が取引先と密な関係を築いて案件のニーズを収集。本部や外部専門家と連携し、幅広いソリューション提案をしている。2022年度下期の総合業績評価は全店1位で4期連続表彰を達成。 営業エリアは新潟市東区と北区。店周は鉄工や自動車関連工場のほか、大型ショッピングモールなど商業施設も充実。融資取引先は… 【写真】清信熱処理工場で、石田幸雄代表取締役(右)から事業について聞く相澤英紀支店長(6月20日、清信熱処理工場)