2018年5月25日号11面 ワシントンDC・ボストン現地取材、金融危機から10年
好況米銀行界に次の課題
2008年のリーマン・ショックから10年。現状、米国経済は第2次世界大戦以降で2番目に長い景気回復期にある。米連邦準備制度理事会(FRB)は16年12月から5回の利上げに踏み切り、長期金利も上昇している。トランプ政権は、好調な経済を背景に銀行の規制緩和を打ち出しているが、どの程度まで実施されるか。また、利上げ局面でのリスク管理など、課題は多い。ワシントンDCとボストンで現地取材し、米財務省通貨監督庁(OCC)のジョセフ・M・オッティング長官、連邦預金保険公社(FDIC)のマーティン・J・グルンバーグ総裁、米国独立コミュニティー銀行家協会(ICBA)のレベッカ・ロメロ・レイニー理事長兼CEO、同カムデン・R・ファイン前理事長兼CEO(5月に退任)、OCC前長官のトーマス・J・カリー氏(現ナッター・マクレネン・アンド・フィッシュ法律事務所パートナー)に、現状の課題と今後の見通しなどについて聞いた。
【写真】利上げ局面に入った米国では規制緩和も本格化。写真は米連邦議会議事堂
2018年5月25日号2面 国会 会期末まで1カ月、焦点は「働き方改革」
改正REVIC法 成立
6月20日の国会会期末まで残り1カ月を切った。今国会は加計学園や財務省の公文書改ざん問題などをめぐり野党の審議拒否で停滞した。だが、金融機関や取引先企業のビジネスに関係する法案は5月に入り、成立するケースも増えている。
今国会の金融関連法は期限を定めた法律を改正し、……
【写真】野党が欠席するなか、成年年齢を引き下げる民法改正案は審議入りした(4月24日、衆院)
2018年5月25日号3面 3メガバンクグループ、米金利上昇で含み損4600億円
外債運用、修正局面に
3メガバンクグループの外国債券運用が修正局面を迫られている。米国の長期金利上昇を背景に、保有外債の大半を占める米国債の含み損が拡大しているため。「その他有価証券」に区分される外債の2018年3月末の評価損は、3グループ合計で前年同期比2011億円増えて4643億円に拡大。各グループは運用ポートフォリオを見直し始めている。
3グループ合計の外債評価損益がマイナスに転じたのは、……
2018年5月25日号4面 MUFGが新中計、顧客接点を次世代型に、成長モデルへ転換
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、7月1日付で事業本部を再編する。顧客部門を日系と非日系、個人・中堅中小企業と大企業のマトリックス組織に変更(下表参照)。4月スタートの中期経営計画(3カ年)に沿った組織再編で、次期中計が完了する6年後を見据え、構造改革を着実に進めながら、成長モデルへの転換を図る。
新中計の期間中は国内で超低金利が継続し……
2018年5月25日号6面 大手地銀、貸出利息減少に底打ち感、量の拡大がプラス要因
静岡銀行は9年ぶり増加
大手地方銀行の国内貸出金利息が増加に転じ出した。2017年度は静岡銀行が9年ぶりに増えたほか、横浜銀行も同上期を底に下期は反転した。利回りの低下幅が緩やかになり、量の拡大によるプラス要因が上回ったのが理由。18年度は、千葉銀行なども増加を見込んでいる。
08年9月のリーマン・ショックを境に金利が低下局面に入り、貸出金が増加しても利息収入が減少する構図が続いてきたが……
2018年5月25日号8面 全国261信金の2018年3月末貸出金動向、79%が前年同月比増加
都市部の伸び顕著
全国261信用金庫の79%にあたる208信金で、2018年3月末貸出金残高(速報ベース)が前年同月比増加した。不動産業や宿泊業、飲食業向け貸出の増加が要因。西武信用金庫(東京都)は、増加額・増加率ともにトップの2147億円(14.82%)増。このほか、京都中央信用金庫(京都市)や大阪信用金庫(大阪市)、埼玉県信用金庫(埼玉県)など都市部信金の伸びが目立った。
西武信金は、先数・金額ともに全業種で増加。顧客の課題に応じた解決策の提案が奏功した。増加率上位は……
2018年5月25日号19面 横浜銀行が全面支援、農家レストラン開業、国家戦略特区を活用
横浜銀行が全面支援した「農家レストランいぶき」が5月19日、神奈川県藤沢市に開業した。国家戦略特区を活用した関東圏初の事例で、地域活性化を後押しする。
農地内に営業施設を建てるのは……
【写真】試食会で地元産の料理を味わいながら歓談する(左から)河村正人地方創生推進事務局長、冨田改社長、川村健一頭取(5月19日)
2018年5月25日号9面 信金界、医療・がん保険の推進強化、新たなニーズ掘り起こし
統一運動が定着
信用金庫界は、6月1日~2019年1月末に「しんきんの医療保険・がん保険」を対象とした統一推進運動を展開する。マイナス金利などの影響で保険商品の推進が難しさを増すなか、期間を定めて業界で取り組むことで新たな顧客ニーズの掘り起こしにつなげる。
低金利や17年4月の標準利率引き下げを背景に、18年度に入っても円建ての一時払い終身保険や平準払い個人年金保険は商品スペックの低下が続く。このため、比較的ニーズのある医療保険、がん保険に絞り……
2018年5月25日号10面 ゆうちょ銀行・日本郵便、投信営業の強化継続、直営店担当者2000人へ
販売局は1500局体制に
ゆうちょ銀行と日本郵便は、2018年度以降も投資信託の販売体制を強化する。ゆうちょ銀は3年間で直営店に置く販売担当者を2千人規模に増やす計画で、4月に指導を担当する役職を新設した。日本郵便は、現在1416カ店の販売局を今夏から段階的に増やし、約1500局体制にする。
両社は17年度、投信営業で前年度比35.5%増の7379億円を販売。預かり資産残高は……
2018年5月25日号20面 佐賀銀行小倉支店、取引先385社を事業性評価、経営不振の料亭再建
思いに応える親身な対応
【福岡】佐賀銀行小倉支店(倉持孝行支店長=行員19人うち女性4人。パート1人)は事業性評価に力を入れている。経営不振に陥った料亭の再建に取り組むなど、顧客のために汗を流す。
倉持支店長は2016年4月の着任時、「北九州で当行が……
【写真】支店開設60年来の取引先の大光電機製作所で打ち合わせする倉持孝行支店長(右から2人目、4月25日)