2021年10月8日号10・11面 特集 金融界の2020年度役員報酬、半数の銀行が増加
1億円超は18人
全国銀行と、その持ち株会社103行・社(83行・20社)の取締役・執行役(2021年3月期の有価証券報告書ベース、社外役員と監査等委員は除く)の2020年度役員報酬総額は267億6100万円だった。全体の約半数にあたる49行・社で増加。報酬1億円以上の役員は前年度から3人増えて18人に。大手行では業績連動報酬の決定過程にESG(環境・社会・ガバナンス)の視点を組み込む動きが出てきた。信用金庫は、集計対象の111信金のうち、52信金で報酬総額が増加し、4信金で5億円を超えた。
【写真】報酬1億円超が11人と邦銀最多の三菱UFJフィナンシャルグループ
2021年10月8日号2面 実像 コロナ苦境 ともに闘う(中)コンサルで深く経営関与
継続支援が正念場
取引先の業績回復に向けて、資金繰り支援にとどまらないコンサルティング業務が重要局面に入った金融界。ポストコロナも見据え、経営改善や事業再生に本腰を入れる動きが全国で広がる。
■90項目の「改善策」
「地元出身者として、蔵王温泉を活性化させたい」。きらやか銀行本業支援戦略部の松田茂久主管が毎週2、3日、足を運ぶのは…
【写真】下西代表(左)から説明を受ける鹿児島相互信金の上村支店長(9月22日、ハクア食品)
2021年10月8日号5面 MUFG、ウェルスマネジメントの推進体制強化、基盤システムを下期展開
営業純益、2023年度410億円増
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)はウェルスマネジメント(WM)と法人ソリューションを一体させたクロスリレーションに取り組む。推進体制を強化し、戦略の根幹を支える基盤システムを2022年度下期中に展開。WM営業純益を23年度に、20年度比410億円増加の930億円を目指す。
法人の純資産と企業オーナーが所有する自社株に着目してWM推進対象を定め…
2021年10月8日号6面 同一県内の地域銀行、相続手続き共通化広がる、「非競争分野」で協力
同一県内に本店があり競合関係にある地域銀行の間で、相続手続きを共通化する動きが広がってきた。最近では6月に愛知県内3行、7月に沖縄県内2行、9月に岐阜県内2行、10月には岩手県内の3行などが開始。「非競争分野」で手を組み、顧客の利便性を高めている。
高齢化を背景に、国内の死亡者数は増加傾向だ。厚生労働省によると、…
2021年10月8日号9面 全信組連、業界のクラウドファンディング支援を刷新、CAMPFIREに移行
初案件は那須信組
全国信用協同組合連合会は、10月からクラウドファンディング(CF)による取引先支援を全面的にリニューアルした。CFサイトはミュージックセキュリティーズから「CAMPFIRE」(東京・渋谷区)に変更。新たな名称は「MOTTAINAIみらい」とした。キャッシュレス決済に対応するなど機能面を強化し、新たに取引先への支援運動も展開する。
これまで信組業界の取り組みとしてきた「MOTTAINAIもっと」(2022年3月末に終了予定)では、…
【写真】信組業界の新たなクラウドファンディング特設サイト「MOTTAINAIみらい」のトップ画面
2021年10月8日号16面 特集 金融機関の「事業承継」と「人材マッチング」の取り組み
持続的成長へ役割発揮、期待されるプラットフォーマー
地域の持続的な成長を促す役割が金融機関に期待されるなか、官民を交えた「事業承継・人材マッチングフォーラム」(主催=日本金融通信社)が10月14、15日に東京国際フォーラムで開かれる。開催に併せ、「事業承継」と「人材マッチング」について全国の地域金融機関に取り組みと課題を聞いた。
■事業承継、注目集まる 中小M&A
中小企業庁は4月に「中小M&A推進計画」を発出。今後5年間で中小企業のM&A(合併・買収)を…
2021年10月8日号17面 大手生損保8社・2022年春の内定者、3185人で採用計画と同水準
非対面で接点増加
大手生損保8社の2022年4月入社予定の新卒内定者は、3185人(10月1日時点)となり、採用計画(3320人)に対して、ほぼ同水準となった。コロナ禍でオンラインによる採用活動が定着し、学生と接する機会が増加。「第一印象に影響されることなく、対話内容で人物を見極められる」(三井住友海上火災保険)、「物理的距離でハンディのある地方学生との面談でその強みを発揮」(明治安田生命保険)など、オンラインならではの特性を生かし、質の高い人材確保につなげている。
8社の21年度(22年4月入社)新卒採用活動は、非対面での選考形式が…
【写真】オンラインで懇親会を開いた日本生命の内定者は自宅に届いたまんじゅうを食べながら仲間と交流した(10月1日)
2021年10月8日号19面 愛媛銀行、SIBで地域創生、組成案件は9件
【高松】愛媛銀行は、愛媛県西条市と推進するソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)で実績をあげている。この事業は2018年度に開始し、4年でプロジェクトは9件に達した。SIB事業は全国で拡大しているが、医療・健康、介護分野が多く、同市のようにSDGs(持続可能な開発目標)達成につながる幅広い分野で出資募集するのは珍しい。
同行は2017年に西条市とファンド組成・出資者募集を行うプラスソーシャルインベストメント(PSI、京都市)とともに…
【写真】2021年度は西条まつりの伝統工芸承継に関する「睦TSUMI」のプロジェクトを実施中(伊藤提灯店)
2021年10月8日号20面 ワンチーム 創業支援、福井銀行勝山支店、交流人口増加に協力
新たな観光事業創出
【金沢】福井県有数の観光拠点「恐竜博物館」がある勝山市。同市を営業エリアとする福井銀行勝山支店(米村宜将支店長=行員16人うち法人営業4人、リテール営業2人。パート1人)は、市が取り組む観光事業を核とした交流人口増加の支援に力を注ぐ。本部や僚店と連携しながら、創業希望者の事業化をサポートし、新たな「名物」創出にも協力している。
人口減少が進むなか、2024年3月の北陸新幹線福井県延伸や、2026年春の中部縦貫自動車道の岐阜県白鳥エリア延伸を控え…
【写真】販売所の前で話す高橋小春社長(左)と米村宜将支店長(中央)、山岡孝寿支店長代理(9月17日)<写真撮影時にマスクを外していただきました>