2021年10月1日号1面 新連載・地域銀再編 新常態(1)改革は「実行フェーズ」
金融庁、コロナ後を危惧
過去の常識を超えた組み合わせの地域銀行再編が、相次ぎ表面化している。起点となったのは経営改革を迫る金融庁の圧力。地域銀のオーバーバンキングを示唆した菅義偉首相は退陣するが、同庁が指導の手を緩める気配はない。当局幹部らの問題意識を探った。
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「今後は実行フェーズとして改革を着実に進めてもらう必要がある」。金融庁が7月に開いた地域銀とのオンライン会合。前週に就任したばかりの中島淳一長官は…
【写真】金融庁の中島長官は就任直後のオンライン会合で地域銀トップに改革を求めた
2021年10月1日号3面 インタビュー 遠藤元金融庁長官、顧客の評価が判断基準
時代は競争から好循環に
菅義偉首相が「(地域銀行の)数は多すぎる」と発言してから1年が過ぎた。金融庁と日本銀行は、再編を後押しする制度を相次ぎ創設。同じ地域にある銀行同士の経営統合に独占禁止法を適用しない特例の運用も始まった。遠藤俊英・元金融庁長官(62)に特例創設をめぐる議論の裏側や、銀行間競争に関する考えを聞いた。
――再編促進の環境整備が進められている。
「行政が地域金融機関の数を減らそうとしているわけではない。金融庁にそうした政策を望む声があるならば…
【写真】遠藤・元金融庁長官
※詳細は「ニッキンONLINE」で配信しています。
2021年10月1日号5面 三井住友銀行、サステナ課題の解決支援、必要分野抽出ツール開発
地域金融へ拡大も
三井住友銀行は、法人担当の行員が日々の渉外活動で合理的にサステナブルな取り組みをする企業を増やしていくツールを開発。7月からテスト版も兼ねた第1弾の利用を実施しており、2022年1月以降に改良型での実用化を図る。地域金融機関の取り扱いにも応えていく。
名称は「SMBCサステナビリティ優先課題特定ツール」。すでに行員は…
2021年10月1日号6面 千葉銀行、「DX認定制度」開始、ベース人材1000人育成へ
外部トレーニー派遣も
千葉銀行は、デジタルトランスフォーメーション(DX)人材を育成するため、10月1日に独自の「DX認定制度」を創設した。同制度は難易度別に3層構造とし、2023年3月までに第1段階の「DXベース人材」を1千人育成する。さらに26年3月末までに、第2段階の「DXコア人材」を100人、最高位の「DX専門人材」を20人育成する計画。外部出向の「DXトレーニー制度」も併用して、専門性の高い人材を育てる。
同制度は、行内全体の意識改革によりDX化を進め、顧客体験(CX)の向上に…
2021年10月1日号8面 信金界、次世代型店舗の出店進む、10月にオンライン視察
信用金庫業界で、次世代型店舗の出店が加速している。全国信金の店舗数(本・支店と出張所の合計)は22年連続で減少(3月末時点で7181カ店)した一方、フルバンキング型から機能特化型へ移行したり、旧店舗を地域創生拠点や他のサービス業との連携拠点として活用する事例が増加。コロナ禍で先進信金への視察訪問が難しいなか、オンラインを活用する動きも出てきた。
金融庁は2017年に監督指針を改正し、一定の条件を満たせば金融機関が…
【写真】インスタ映えが話題の浜松いわた信金森田支店
2021年10月1日号10面 ロボアドバイザー、運用残高増、サービス拡充相次ぐ
手軽に自動で分散投資ができる「ロボアドバイザー」による運用残高が増加している。ロボアド大手のウェルスナビは、9月6日に預かり資産が5500億円を突破し、2021年12月期の業績予想(5307億円)を上回るペースで成長。ロボアドサービスを提供するお金のデザインや楽天証券も残高を伸ばす。金融機関との提携や業界再編が進むなか、NISA対応などサービスの拡充に各社が注力している。
ウェルスナビは、証券会社や地域金融機関、事業会社などによる業務提携が…
2021年10月1日号13面 新連載・インサイト キーパーソンに聞く<1>、西川・NTTデータエービック社長、総合的な窓販支援を提供
NTTデータエービックは、預かり資産を販売する地域金融機関を中心に、投資信託や保険に関するデータベースや評価資料、コンテンツの配信、販売パッケージまでワンストップで提供する。金融商品の評価・情報配信は90社、窓販・情報系システムは30社が採用するなど順調に伸ばしてきた。西川勇代表取締役社長(57)に戦略と展開について聞いた。
【写真】西川勇・NTTデータエービック代表取締役社長
2021年10月1日号19面 常陽銀行、IT人材育成事業を支援、パートナー企業第1号
高校の授業に講師派遣
常陽銀行は茨城県と茨城県経営者協会、日本IBMが連携して行う「IT人材育成事業」のパートナー企業第1号として、講師派遣やインターンシップの受け入れなどで協力する。県内企業に不足するIT人材を育てデジタル化を促進することで地域活性化につなげる狙いがある。
県と県経営者協会、日本IBMの3者は、7月にIT人材育成に向けた連携協定を締結。県立水戸工業高校と県立産業技術短期大学で…
【写真】生徒たちにプログラムの趣旨や狙いなどを説明する水戸工高の川嶋正人校長(右、9月22日、水戸工高)
2021年10月1日号20面 ワンチーム コンサル営業、三井住友信託銀行渋谷支店・渋谷中央支店
世代超えて取引複合化、若年層ターゲットに基盤拡大
三井住友信託銀行渋谷支店・渋谷中央支店(波多野勉支店長=行員95人うち営業担当者34人)は、世代を超えたコンサルティング営業を実践している。顧客のライフスタイルに対応した店舗運営で取引先数を拡大。相続など親子・孫世代に広がる相談を一手に引き受けて深掘りし、運用・保険商品など二つ以上の“複数取引”は前年比約20%増加した。
同店は幅広い世代の顧客が集まる信託銀行ならではのコンサルティング空間をコンセプトに据えた「信託型次世代店舗」第1号店として…
【写真】大人数での会議が難しい今、気軽な立ち話が社内コミュニケーションを支える(9月10日、ロビーラウンジ)<写真撮影時にマスクを外していただきました>