2021年7月30日号3面 全銀協など検討会、「手形廃止」へ5年計画、IB振込の定額制も視野
全国銀行協会が事務局を務める手形・小切手の全面電子化に向けた検討会は、2026年度末までの5年間の自主行動計画を公表した。電子的決済手段の手数料体系の見直しなど評価項目を定めたうえで、毎年の状況を把握。24年度には中間検証も実施し、取り組み状況に応じて計画の見直しもする。
20年の全国手形・小切手交換枚数は3264万枚。毎年536万枚以上の削減を掲げ、21年末からの5年間でゼロを目指す。手形・小切手の持ち帰り枚数や発行枚数の減少状況を把握していく。
金融機関には…
【写真】全国銀行協会事務所のある東京・丸の内の新「銀行会館」
2021年7月30日号4面 ネット銀のリアルチャネル、拠点設置や代理店活用、取引のギャップ埋める
インターネットの取引を中心とするネット銀行だが、現実空間に顧客が相談可能な拠点を展開する機関は少なくない。7月にネット銀行10行の「リアルチャネル」について、ニッキンがアンケートなどをした。6行が拠点の設置や代理店を活用した実店舗の窓口を設けている。共通するのは「顧客の不安や疑問の解消」。ネット取引で完結できない小さな溝を埋める役割だ。
ソニー銀行とオリックス銀行は、東京の銀座に拠点を構え、住宅ローン相談と…
【写真】オリックス銀行の「ORIX BANK GINZA PLAZA」は、用途に合わせて3種類の部屋を使い分ける(7月12日)
2021年7月30日号6面 地域銀行、副業人材で中小支援、「関係人口」増が活性化
地域銀行は、人材会社と連携して大都市圏の副業人材を地元の取引先に紹介する取り組みを進めている。中小企業の経営課題解決を支援するとともに、地域の「関係人口」を増やして活性化する動きだ。コロナ禍を受けてビジネスの場でテレワークが浸透し、課題解決の好事例が増えている。
「関係人口」とは、移住者(定住)や観光客(交流)と異なり、地域や…
2021年7月30日号9面 豊川信金、相続業務の対応強化、本部集中で年6000時間削減
【名古屋】豊川信用金庫(愛知県、真田光彦理事長)は、相続業務への対応を強化する。相続センターを新設して、10月をめどに事務の本部集中化を進めることで、預金役席の事務負担を年6千時間削減。積極的な提案やトレーニーによる人材育成策を推し進める方針だ。
これまで相続関連の手続きは営業店が担い、なかでも預金役席の負担が…
2021年7月30日号10面 JAの2021年3月末都道府県別貯金残高、1県除き前年比増加
伸び率トップは福井県
JA(農業協同組合)の2021年3月末の都道府県別貯金残高は、前年同月比で46都道府県が増加となり、減少は前年の12府県から1県に減った。唯一の減少となった奈良県は、2年連続の減少。一方、前年は減少だった11府県(青森、宮城、栃木、大阪、鳥取、島根、山口、徳島、佐賀、熊本、大分)は増加に転じた。
伸び率が4%を超えたのは、13道県(北海道、青森、宮城、秋田、山形、…
2021年7月30日号13面 マネーフォワード、金融連携で請求業務DX、管理ソフトを無料提供
インボイス制度に対応
マネーフォワードは、8月から地域金融機関と連携して取引先企業の請求業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を後押しする取り組みを始める。2023年に始まる適格請求書等保存方式(インボイス制度)を見据えて、紙の請求業務のデジタル化を推進する。すでに地域銀行と信用金庫の各1機関が連携を開始予定で、検討中の金融機関も複数ある。
インボイス制度は、正確な適用税率や消費税額を伝える請求書を交付・保存する制度で、2023年10月に始まる。制度導入後は…
2021年7月30日号15面 奈良信金、外部研修で営業力底上げ、行動量が4割増加
新たなスタイル定着へ
【大阪】奈良信用金庫(奈良県、田村好美理事長)は、外部コンサルタントの研修を通じて、営業力の底上げに取り組んでいる。研修受講後、職員一人一人の行動量が大幅に向上、約6カ月で4割増加した。総合企画部の研修担当者は「新型コロナウイルスの影響が一服したなかで、想定以上の数字だ」と強調する。
同信金は2018年度、融資量から件数を重視する方針に転換。営業スタイルの変化が求められるなかで…
2021年7月30日号18面 金融界、2020年労基署調査、労働法令違反の増加続く
改正法対応で指摘相次ぐ
金融界で、労働基準法や労働安全衛生法などに基づく法令違反を指摘される割合が増加している。厚生労働省労働基準局が集計した2020年1~12月の全国の監督業務実施状況によると、定期監督などで調査をした金融業(銀行や証券・保険会社など)の事業場568先のうち、43.3%にあたる246先が違反。19年に比べて2.2ポイント増えた。残業代の未払いの指摘が最も多いほか、労働条件の明示や就業規則の記載不備の指摘が増加している。
全国労基署による定期監督は、労働災害の発生や従業員からの情報提供などをもとに…
2021年7月30日号20面 ワンチーム 地域活性化、中国銀行稲荷グループ 古墳ロマンの動画制作支援
社内ベンチャーやクラウドファンディング活用
【広島】「古代ロマンを感じる古墳の魅力を発信したい」――。中国銀行稲荷グループ(稲荷支店・足守支店、能登弘幸稲荷支店長=行員16人うち女性7人。パート10人)は、地域活性化の起爆剤として、造山(つくりやま)古墳のPR動画制作を支援する。社内ベンチャー制度やクラウドファンディングなどを活用し、総合的な支援策に取り組んでいる。
中国銀行は、中期経営計画で地域の課題解決を強化するため「5つの柱」を主要戦略に掲げる。第1の柱に据えるのは…
【写真】古墳前でクラウドファンディングのリターンを相談する(左から)定廣好和・造山古墳蘇生会会長、窓口係の女性行員、能登弘幸・稲荷支店長、野田映博・稲荷支店長代理(7月1日、岡山市)