2021年2月12日号11面 特集 【地域にスポット】中・四国地区4信金、販路開拓支援
地域商社と稼ぐ力強化
【広島・高松】「都心でも通用する商品はある」――。香川県の食品加工業者は、東京の物産展で予想以上の売れ行きがあり自社製品へ自信をみせる。しかし、中小企業の多くは営業面のノウハウ・人員に課題を抱えており、東京や大阪など一大消費地での販路開拓に苦戦。県外に限らず「地元スーパーや観光施設など県内での売り込みも不十分」(信金役員)との声もある。それら課題に対し、中・四国地区の4信用金庫では地域商社と力を合わせ、取引先の販路開拓を応援する。
■津山信金、持続可能な農産業に
津山圏域版の「農業ビジネスモデル」で持続可能な農産業の確立を――。津山信用金庫(岡山県、松岡裕司理事長)は、津山市との共同出資で2020年10月に設立した地域商社「曲辰(かねたつ)」(津山市)を軸に…
【写真】東京東信金錦糸町支店での津山物産展を視察する(中央右)東京東信金の中田清史理事長と津山信金の松岡裕司理事長(同左、2020年11月26日)
2021年2月12日号2面 中企庁、早期改善へ新マル保、保証料負担0.2%に
伴走支援が条件
中小企業庁は新型コロナウイルスの影響を受ける中小企業の経営改善を後押しする公的な保証制度を創設する。保証料は国が0.65%分補助し、事業者は一律に0.2%分の負担で利用できるようにする。金融機関の継続的な伴走支援などを条件に据え、事業者と一体となったサポートで早期の経営改善につなげる。主な対象は官民の金融機関による実質無利子・無担保融資を受けた事業者を想定する。
新制度の「伴走支援型特別保証」は2月中旬にも適用条件や申請様式など詳細を固め…
2021年2月12日号3面 フィンテック協など、「新仲介業」で新団体設立、自主規制や資格制度を検討
金融機関に参加呼びかけ
業態をまたいで金融商品を取り扱える金融サービス仲介業(新仲介業)をまとめる業界団体が、4月までに設立される見通しだ。設立後は金融庁による自主規制機関の認定を目指して、業界ルールの在り方や資格試験制度などを検討する。参入を視野に入れるフィンテック企業のほか、銀行を始めとした金融機関にも広く参加を呼び掛けていく。
新団体の設立は、Fintech協会、電子決済等代行事業者協会、コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)の3団体が…
2021年2月12日号4面 大手行5グループの2020年4~12月期決算、純利益が13%減少
与信費用3倍も計画内、トップライン堅調
大手行5グループ(G)の2020年4~12月期決算は、5社合計の当期純利益が前年同期比13%減の1兆6190億円だった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う企業の業況悪化に備え、与信関連費用が3.1倍に膨らんだ。もっとも、その水準は各社とも通期計画内。稼ぐ力であるトップラインの業務粗利益は堅調に推移し、本業のもうけを示す業務純益は7.4%増の2兆7845億円だった。
前年同期に海外子会社の減損を計上した影響のはく落で、反転増益となった…
2021年2月12日号6面 地域銀行、通帳発行を相次ぎ有料化、受益者負担で経費抑制
ネット取引拡充へ
メガバンクに続き、地域銀行でも預金通帳の発行に手数料を課す動きが広がり始めた。横浜銀行が2月16日に地域銀で初めて導入に踏み切るほか、千葉銀行は3月1日、広島銀行は8月に新設する。紙の通帳には1冊年200円の印紙税などの発行コストが掛かる。今後は、利用者(受益者)に負担を求めて経費抑制を図る一方、コロナ禍でニーズが増すインターネット取引を拡充してサービス向上につなげる。
横浜銀は2月16日以降、個人が普通預金口座(総合口座含む)を開設する際に…
2021年2月12日号8面 信金、広がるSNS活用、情報発信や取引先支援
遠州信金のLINEは4万5000人
情報発信の強化へSNSを活用する信用金庫が増えている。LINEの公式アカウントは50信金以上が開設した。フェイスブック、インスタグラム、ツイッターも使い、商品・サービスの案内や取引先支援に取り組む。
LINEの友だち登録数で群を抜く遠州信用金庫。2017年にアカウントを設け、…
2021年2月12日号18面 静岡銀行、評価制度を抜本見直し、挑戦と失敗からの学びを重視
【静岡】静岡銀行は、20年ぶりに人事制度を全面的に改定する。4月から順次、開始し、目標管理制度を含め抜本的に見直す。2020年度スタートの第14次中期経営計画「COLORs~多彩~」で掲げるビジョン「地域のお客さまの夢の実現に寄り添う 課題解決型企業グループへの変革」の実現に取り組む。
内向き志向や目標に固執しがちな評価制度を刷新する。新制度では、…
2021年2月12日号17面 主要証券10社の2020年4~12月期決算、取引活況で9社増益
野村・海外部門が牽引、大和・リテール回復
インターネット証券を含む主要証券10社の2020年4~12月期決算は、9社で増益だった。野村ホールディングス(HD)は海外のホールセール部門が収益を牽引(けんいん)し、米国会計基準を適用した2002年3月期以降で最高益を記録。世界的な株式市場の回復も追い風となり、各社のリテール分野も好調だった。
野村HDは、全社の税前利益に占める海外ビジネスの割合が前年同期比22%から42%に増加した。米・欧州国債など…
【写真】オンライン会見で決算概要を説明する野村ホールディングスの北村巧CFO(2月3日)
2021年2月12日号20面 ワンチーム 売り上げ拡大支援、山陰合同銀行江津支店
魚のチップス誕生に奔走、地元大学生が発案
【広島】山陰合同銀行江津支店(武本功支店長=行員30人うち女性20人)は、取引先の利益を増やすコンサルティングに注力している。2020年度は、水産加工業「若女(わかめ)食品」(島根県江津市)の新商品開発に貢献。地元大学の協力を得て、魚で作ったチップス「フィップス」が誕生した。3月からインターネットなどで発売される。
若女食品は、支援の成果で手数料を決める「成功報酬型コンサルティング」の対象先。地域活性化のため取り扱い始めた…
【写真】新商品の試作品を確認する(左から)住田真一社長、武本功支店長、担当者(2月4日、若女食品)