2021年6月4日号11面 特集 【時の話題】少短業界誕生15周年、ユニークな商品性が話題
ミニ保険と呼ばれる少額短期保険が存在感を高めている。2006年4月の保険業法改正によって誕生した新しい保険は、今年で15周年を迎えた。従来の生命保険会社・損害保険会社にはないユニークな商品が多く、手軽な保険料で加入できるのが最大の魅力だ。一方、ガバナンス体制の整備不足など新興市場ならではの課題も残る。業界が目指すべき将来像や先進的な少短会社2社の取り組みなどを取材した。
少短保険は、特定の人を相手に保険を引き受ける「任意共済」が起源。任意共済には法規制や…
【写真】スマホからプランを選び必要事項を入力するだけで、最短翌日から保障を開始する(スマートプラス少短)
2021年6月4日号2面 政府、全国にDX拠点設置、地域金融へ参加要請
政府はDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進へ、全国6~9カ所に産学官金が連携する拠点を立ち上げる方向で検討に入った。情報通信技術(ICT)の高度な知見を持つ人材の育成や、新産業の創造に取り組むための基盤を作る。地域金融機関にも参加を求め、中小企業に対するICTの導入・活用支援や、理系人材の紹介を促す。
自民党が基となる構想を示した。2022年度の予算要求に盛り込む想定で…
2021年6月4日号3面 再生支援協、コロナ禍“リスケ2周目” ゼロゼロ融資の相談増
コロナ禍に苦しむ借り手が中小企業再生支援協議会を通じて金融機関に債務返済猶予を要請する「特例リスケジュール」が“2周目”に入っている。実質無利子・無担保(ゼロゼロ)融資の据え置き期間終了が近づき、申し込みを急ぐ経営者も出てきた。2020年度に全国の再生支援協に持ち込まれた相談件数は約5600件と過去最多を更新。21年4月以降も高水準で推移している。
政府はコロナ禍を受け、最長1年間の返済猶予を認める特例リスケ制度を創設。期限は、…
【画像】中小企業庁のHPより
2021年6月4日号4面 りそなHD、中小企業のSX支援、2030年まで関連投融資10兆円
りそなホールディングス(HD)は、取引先の中堅・中小企業や個人事業主に、稼ぐ力とESG(環境・社会・ガバナンス)の両立を図る「サステナビリティ・トランスフォーメーション(SX)」を支援する。顧客との対話を通じてニーズや課題を深掘りし、融資など本業を通じたソリューションを提供する。2021~30年度で10兆円規模のサステナビリティファイナンス目標を打ち出した。
りそなHDがSX支援に注力する方針を定めたのは、コロナ禍などをきっかけとした…
2021年6月4日号6面 地域銀行の2021年3月末投信残高、年21%増・9兆円突破
市況回復が追い風に
地域銀行の2021年3月末投資信託預かり資産残高(ニッキン調べ)は、全98行合計で前年同月比21%増と急増し、9兆3094億円になった。20年度第1四半期(4~6月)にコロナショックで販売額・残高ともに急減したものの、第2四半期(7~9月)以降は持ち直して増加基調に転じた。金融市場の回復に伴って多くのファンドで基準価額が上昇し、顧客の投資マインドの高まりも残高増を後押しした。
業態別では、地銀(61行)が同18%増の7兆5291億円、第二地銀(37行)が…
2021年6月4日号8面 全信協、日弁連と民事信託活用、全国43弁護士会に相談窓口
全国信用金庫協会は、高齢化社会における民事信託の活用について、日弁連信託センターと連携体制の構築を進めている。現在、全国52の弁護士会のうち、43カ所で信用金庫の問い合わせに対応する相談窓口を設置。民事信託の提案や事務の取り扱いに関する資料づくりなどで協力している。
民事信託は、成年後見と並び高齢者の財産を管理するための手法として注目され、…
2021年6月4日号16面 全国金融機関の2021年3月末の資金量上位200
コロナ禍で8%増
全国金融機関の2021年3月末の資金量上位200(ニッキン調べ)がまとまった。合計残高は1240兆3644億円と前年同期比で8.2%の増加。伸び率は前年同期の実績から5.9ポイント上昇した。
コロナ禍の影響を受けて、手元資金を確保したい法人の預金が…
2021年6月4日号18面 金融界、採用選考が本格化、ウェブ・対面選択可能に
金融界で6月1日、2022年春入社の新卒採用面接が解禁した。銀行の9割が選考初期フェーズを中心にウェブ面接を取り入れる。一方で対面ニーズに応えるため、ウェブと対面を組み合わせたハイブリッド形式や面接形式の希望選択制を採るケースも増えている。
新型コロナの感染拡大防止のため、107の大手行・地域銀行のうち98行が…
【写真】三井住友海上の1次面接。初対面時の緊張を和らげる時間を確保するため前年より面接時間を15分長くした(6月1日、駿河台ビル)
2021年6月4日号20面 ワンチーム 迅速対応、城北信金神田支店、信頼が生む案件獲得で好循環
融資22%増・表彰1位へ
城北信用金庫神田支店(小泉直哉支店長=職員18人うち女性10人。嘱託2人)は、相談から回答まで迅速に対応することで顧客の信頼を獲得。既存先から新たな相談や案件照会が舞い込む好循環によって、2021年3月末融資残高は前年同期比22%増加した。預かり資産は、投資信託の販売金額と定時定額契約の純増金額の目標を共に達成。2020年度の店舗表彰で全店1位となる見込みだ。
ソリューション事業部長だった小泉直哉支店長は2020年6月に着任。2021年1月の定年退職(現在は嘱託支店長)を前に…
【写真】洋食屋「ビストロ石川亭」を運営する石川敏樹社長(右)にコロナ禍の経営について情報交換する小泉直哉支店長(5月20日、東京都)